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《プロ野球・球場巡り》パ・リーグの方がレベルは高い? 球場で受けたサービスあれこれ


 10月も終盤にさしかかり2016年のプロ野球も残すは日本シリーズのみとなった。時が経つのは早いと感じておられる読者の方も多いのではないだろうか。筆者もそのひとりだ。

 今年も数々の名勝負が繰り広げられた各地のスタジアム。筆者は今年、12球団の本拠地、8カ所のスタジアムに足を運んだ。今回は現地で受けた印象的なサービスについて紹介しよう。

【今年、筆者が訪れたスタジアム】
■パ・リーグ
札幌ドーム/楽天Koboスタジアム宮城/QVCマリンフィールド/西武プリンスドーム/福岡ヤフオク!ドーム

■セ・リーグ
神宮球場/横浜スタジアム/東京ドーム

こまっていませんか?


【札幌ドーム】
ファイターズボランティアスタッフ

 札幌ドームの至るところに「こまっていませんか?」と書かれたボードを掲げるスタッフが立っている。もし座席やトイレの場所がわからなければ、このスタッフに聞けば丁寧に教えてくれる。

 筆者が札幌ドームを訪れた日は、ビジターチームであるロッテの「ビジター応援デー」でもあった。ロッテのファンクラブ「TEAM26」の会員には来場ポイントが付与されるのだが、どこで行えばいいのかわからなかった。そこでボランティアスタッフに聞いてみた。

「ロッテのビジター応援デーなのですが、ポイントはどこで貰えますか?」

 正直に言おう。ここでしっかりとした答えが返ってくるとは思っていなかった。なぜなら「ビジター応援デー」のポイント付与について、ほかの球場で尋ねた際に、しっかりとした答えが返ってきたことが少なかったからだ。

 「やっていません」。「ビジターチームのポイントは付きません」といった回答が多い。

 しかし、札幌ドームのボランティアスタッフは違った。しっかりと場所を説明してくれ、途中まで案内してくれたのだ。

 このように、ビジターチームのイベントまで把握しているスタッフは少ない。

 これがチャンピオンチームの実力なのだろうか。スタッフのトレーニングにもぬかりはないようだ。

元気に声をかけてくれるスタッフに好印象


【QVCマリンフィールド】
マリーンズカスタマーセンター

 QVCマリンフィールドには、周囲を取り囲むように屋台が並んでいる。試合前は多くの観客が屋台でビールや食べ物を買い、テーブルで談笑をしている。

 その脇にロッテのファンクラブ「TEAM26」のブースがある。そこにはファンクラブ会員が来場ポイントを付与してもらうために並んでいる。筆者が訪れたのは週末の土日だからか、試合前はいつ見ても列ができている印象だ。

 だが、筆者が来場ポイントを加算する場所はここではない。

 QVCマリンフィールド内部にあるマリーンズカスタマーセンターだ。こちらは並んでいるファンがほとんどいない。カスタマーセンターにチケットと会員カードを出すとポイントを付与してくれる。

 ただ、ここまではどこのスタジアムでもほぼ一緒。マリーンズカスタマーセンターのいいところはどのスタッフも「◯回目のご来場ありがとうございます」と声をかけてくれ、その後に「気をつけていってらっしゃいませ」という温かい言葉までかけてくれるのだ。

 接客マニュアルがあるのかもしれないが、どのスタジアムのスタッフよりもしっかりと声をかけてくれたことは印象に残っている。こういった気遣いはどんどん広まってほしい。


福岡ならではのお土産ありますか?


【ヤフオク!ドーム】
ダグアウト・ヤフオクドーム店

 ヤフオクドームに訪れたときのことだ。筆者は東京在住ということもあり、福岡でしか買えないグッズが欲しかった。そこで、ソフトバンクグッズショップ「ダグアウト」に立ち寄った。

 店員の方に声をかけた。

「ヤフオク!ドームでしか買えないグッズはありますか?」

 その店員の方はその場ではわからなかったものの、一緒に探してくれた。

「今はネットでも買えるグッズが多いので、限定というものはないのかもしれませんね」

 こんな会話をしながら店内を回った結果、福岡限定のグッズはなかった。しかし、「鷹の祭典」の期間中ということもあり、その間のみ買うことのできるグッズを勧めてくれたのだ。

 結局、そのグッズは買わなかったのだが、たとえ限定グッズがなかったとしても、一緒に探してくれる気遣いを見せてくれた。

 この体験だけでも「ダグアウト」に立ち寄ってよかった。


 ここ数年でスタジアムを訪れる観客は増え、グッズ、飲食、そしてトイレと様々なところが見違えるようによくなった。しかし、それと同じくらい大切なものがあるのではないのだろうか。

 「おもてなし」とまではもちろん言わない。ただ、スタジアムで接するスタッフのちょっとした気遣い、一声がさらにファンを増やし、リピーターにつながっていくことだろうと筆者は思う。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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