昨年のシーズンオフから、山口俊、森福允彦、吉川光夫、カミネロ、陽岱鋼、マギーら、投打においてがっつりと補強を行った巨人。
新たに加わった選手は、ここから出番機会の確保に向けて、チーム内での争いを勝ち抜かなければならない。そして、外国人助っ人は、さらなるシビアな争いがある。「外国人枠」だ。
現行のルールでは、外国人選手の1軍登録は最大で4人まで。そして、投手、野手でそのすべてを満たすことはできない。つまり、4人とも投手、4人とも野手という選択はNGとなっている。
2月20日時点で、巨人に支配下登録されている外国人選手と昨季の成績は以下の通り。
【投手】
マイコラス:14試合/4勝2敗/0セーブ/防御率2.45
マシソン:70試合/8勝4敗/1セーブ/防御率2.36
カミネロ:57試合/2勝3敗/1セーブ/防御率3.56
【野手】
クルーズ:81試合/打率.252/11本塁打/37打点
ギャレット:123試合/打率.258/24本塁打/68打点
マギー:30試合/打率.228/0本塁打/6打点
(※カミネロはパイレーツとマリナーズ、マギーはタイガースでの成績)
昨季こそ故障により出遅れて4勝に終わったマイコラスだが、体調万全ならローテーションから外せない。マシソンは昨年は70試合に登板し、最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得。当然、勝利の方程式の一員として欠かせない戦力だ。
そして、ここにきて評価を上げているのがカミネロだ。2月19日の韓国代表との練習試合では、ストレート中心のピッチングで、1イニングを三者凡退(2三振)。ストレートの最速は155キロと、その球威を存分に見せつけた。
抑えは澤村拓一が昨季同様に起用される可能性が高いが、シーズン終盤は安定感を欠く場面があったのも事実。カミネロに守護神としての役目が回ってくる可能性もある。
もしマイコラス、マシソン、カミネロと3投手を1軍登録すれば、野手は1人だけしか使えない。
クルーズは2月19日の韓国代表との試合で、途中出場し1安打。遊撃守備でも、三遊間を抜けるかというヒット性の当たりを軽快にさばくなど安定感は抜群。メキシコ代表としてWBC出場が予定されていることもあって、例年以上に仕上がりは早い。
ギャレットも、2月20日のフリーバッティングでは、推定150メートルとも160メートルともいわれる場外弾を放ち、駐車場に停めてあった車のフロントガラスを割るなど、パワーを見せつけた。昨季は得点圏打率が.224と勝負強さには欠けたが、24本塁打はチーム2位、68打点は同3位。貴重な長距離砲であることは間違いない。
また、マギーも紅白戦2試合で3安打を記録し、2月18日のサムスン(韓国)との練習試合でも二塁打を放つなど好調が伝えられている。
守備位置は、ギャレットが一塁か外野、クルーズは内野ならどこでもOK、マギーは一塁か三塁といったところ。
調子がよければ3人とも使いたいところだが、外国人枠の関係で、そうもいかないのが現実。3投手の動向も含め、高橋由伸監督の嬉しい悩みはシーズンを通して続きそうだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)