セ界にとって、今年も恐怖の交流戦がやってくる! 悲惨すぎるセ・リーグ勢の巻き返しはあるのか?
開幕まであと1週間後に迫ったセ・パ交流戦。年度別の成績を見ると、過去11年間で10度パ・リーグが勝ち越し。ということは、セ・リーグが勝ち越したのは、たった一度だけ(2009年)。交流戦というのは「鬼門」以外の何物でものだ。
今回は先週のパ・リーグ編に続き、セ・リーグ各球団の交流戦の注目ポイントを挙げてみよう。(データは5月22日現在)
攻撃陣の充実ぶりがうかがえる広島、隔年で優勝中の巨人
広島はここまで46本塁打と39盗塁のチーム記録が12球団最多。長打力と脚力を併せ持ち、攻撃陣の充実ぶりがうかがえる。田中広輔、菊池涼介、丸佳浩と続く1〜3番はいずれも3割前後の打率を残し、センターラインを担う同級生トリオという面でも連携面は抜群。パ・リーグの各チームはこの3人に手を焼きそうだ。また、日米通算200勝まであと3勝に迫る黒田博樹の期間中の記録達成にも注目したい。
セ・リーグ勢で唯一、交流戦優勝経験を持つ巨人。2012、2014年と隔年で優勝しており、今季も…と期待が膨らむ。ただ、少し気になるのは貧打と拙守が目立つこと。今月17日からのDeNA戦では2試合でわずか1得点、次カードの中日戦では一塁を守るギャレットの1イニング2失策があった。菅野智之を中心とした投手陣は強力なだけに、野手陣がカバーできればというところだ。
「降竜戦」とは言わせない中日、阪神の「超変革」は交流戦でも発揮されるか
かつては交流戦で成績が急降下することから「降竜戦」と揶揄されてきた中日。こちらも近々は隔年で成績が上下しており、そのジンクス通りにいくと今季は好成績の年。パ・リーグ勢を叩いて、「降竜戦」からの卒業を果たしたい。主砲・ビシエドの快打ペースにやや陰りが見えてきたことが不安だが、投手陣では大野雄大がまもなく復帰予定。開幕27試合連続無失点の日本記録を樹立した田島慎二への直接リレーも見られそうだ。
金本知憲新監督による「超変革」の旗の下、若手野手が躍動する阪神。高山俊や原口文仁、板山祐太郎らとパ・リーグの投手たちとのマッチアップが今から楽しみだ。比較的速くて強いボールを投げるピッチャーが多く、高山らが臆せず振っていけるのか。今季の交流戦の中でも、大きな注目ポイントとなるだろう。
昨季のリベンジ誓うDeNA、ヤクルトは7年ぶりの交流戦勝ち越しを狙う
DeNAは昨季の交流戦で8連敗を喫するなど、最下位に沈んだ。リベンジを誓う今季は豊富な先発陣を前面に押し出して戦いたい。山口俊、井納翔一、モスコーソ、今永昇太、石田健大がガッチリとローテーションを回し、QS率65.9%はリーグトップ。三上朋也、山崎康晃につなぐリレーで白星をひとつでも多く積み重ねたい。
昨季はセ・リーグ制覇を果たしたヤクルトだが、交流戦は8勝9敗1分と負け越し。過去の成績を見ても、2009年に15勝9敗と勝ち越して以来6シーズン連続で負け越し中。今季こそ勝ち越しを狙う。注目はやはり山田哲人か。15本塁打と12盗塁はいずれもリーグトップで、3割3分を超える打率も相まって2年連続トリプルスリーの期待がかかる。交流戦でもファンを沸かせ、チームの上位浮上に貢献できるか。
文=加賀一輝(かが・いっき)
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