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アツい夏を終え、空気は秋モードへ…プロ野球はいよいよ終盤戦へ!…今週の野球みどころランキング[8月27日(火)〜9月2日(月)]

 『今週の野球みどころランキング』は、8月第5週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


東都新人戦、東北では熱戦始まる
―――大学野球

 東都大学リーグ新人戦(23、24、26日)が神宮球場で行われた。リーグ戦でも4季連続優勝と精度の高い野球で覇権を握っている亜細亜大が新人戦でも、相手ミスに乗じて奪った得点を豊富な好投手陣で守り切り、みごとに優勝。中でも活躍した好投した花城直(2年・八重山)は、1回戦で青山学院大を8回0封すると、決勝戦となった拓殖大戦では7回を1失点で2勝目。勢いのあるストレートとキレの良い変化球を低めとコーナーに丁寧につき、相手打者の的を絞らせなかった。亜細亜大は計8人の投手が3試合27イニングに登板し、自責点4、四死球2のみという圧巻の投球内容で、他校と層の厚さを見せつけた。


▲昨夏の甲子園で活躍した照屋光(1年・浦添商)も決勝戦に登板。1回を三者凡退に斬って取り、ストレートは最速で145キロを記録した。

 秋の明治神宮大会野球大会に向けた戦いは早くも北東北大学リーグと南東北大学リーグが早くも24日に開幕。

 北東北大学リーグでは、昨年の明治神宮大会でノーヒットノーランを達成した富士大の多和田真三郎 (2年・中部商)が青森大との開幕戦でいきなり完封勝利。神宮での再ブレイクを期待させる幕開けとなった。

川?が師匠を祝福、松坂がメジャー復帰
―――MLB

 イチローの日米通算4000本安打(ランキング1位で詳述)に日本列島が沸き返った今週。

 そのイチローを師と仰ぐ川?宗則(ブルージェイズ)は、イチローが4000本安打を放った21日のヤンキース戦に「9番セカンド」で先発。イチローの4000本安打達成時には笑顔で拍手を送り、イチローが二塁に進塁すると塁上でこっそりグータッチ。師の快挙を祝った。この日の川?は2回2死二塁の第1打席でライトへタイムリーを放ち、4打数1安打1打点だった。

 岩隈久志(マリナーズ)は21日のアスレチックス戦に先発。7回を投げ2本塁打を含む7安打を浴びたものの、3失点にまとめ12勝目を挙げた。

 ダルビッシュ有(レンジャーズ)は24日のホワイトソックス戦に先発。11三振を奪い、今季通算の奪三振を225とし、昨季よりも4試合少ない25試合で昨季の221奪三振を超えた。しかし7回6安打2失点の内容で、2試合連続勝敗はつかず。

 また黒田博樹(ヤンキース)は23日のレイズ戦で先発するも、6回を投げ4本塁打を含む9安打7失点と崩れ、9敗目を喫した。

 メジャーのマウンドに帰ってきたのは、メッツに移籍した松坂大輔。今季は当初インディアンズと契約を結んでいたが、メジャーでの登板機会を求め、22日にメッツへ移籍。すると23日のタイガース戦でいきなり今季初登板のチャンスをもらう。しかし松坂は6安打5失点の内容で敗戦投手となった。

宮本慎也引退、マー君の連勝が止まらない!
―――NPB

 まずは訃報から。

 東映の主力投手として活躍し、日本ハム、ヤクルトなどでコーチ、監督を務めた野球解説者の土橋正幸氏が24日に都内の病院で死去した。77歳だった。

 1958年から7年連続の2ケタ勝利を挙げ、1962年には日本シリーズでMVPを獲得。通算162勝を挙げたのち引退。以降は東映などでコーチを務め、1984年途中からヤクルトの監督に就任。1986年シーズン終了後に退任するまでの成績は低迷したものの、その後の野村克也監督による黄金期の基礎をつくったという評価もされていた。

 昨年までは『プロ野球ニュース』(現在はCSで放送中)の解説者としても活躍していたが、今年に入ってからは筋萎縮性側索硬化症で自宅療養していた。

 ご冥福をお祈りいたします。

 野村克也監督による黄金期、そしてその後の若松勉監督時代の日本一にも大きく貢献した宮本慎也(ヤクルト)が、42歳で迎えた今季を最後に引退することを表明した。

 2004年(アテネ)、2008年(北京)の五輪で主将を務め、2005年12月〜2007年11月までプロ野球選手会の会長を務めるなどその人望の厚さから多くの人に慕われ、成績面でも華麗な守備でゴールデングラブ賞の常連(遊撃手と三塁手で計10度受賞)にもなり、2012年には2000本安打も達成した。

 26日の会見では19年間のプロ野球人生を「よくやったと思っています。よく頑張ったなと言いたい」と振り返ったが、「まだグッときてる若手はいない。決して明るい未来とは言えない」と最後まで厳しいリーダーとしての顔をのぞかせた。

 こちらで毎週のように扱っている田中将大(楽天)の無敗記録はまだまだ止まらない。チームは田中将大が開幕17連勝(昨年から続く21連勝)を記録した16日の西武戦以降は5連敗を喫していたが、2位ロッテとの首位攻防戦初戦となった23日の試合で、自己最速の156キロを記録するなど気迫の投球で、7回を無失点。チームも5-0で快勝し、これで田中将大は開幕18連勝。昨年から続く連勝も22に伸ばした。この勝利はチームにも勢いを与え、ロッテとの首位攻防3連戦を見事3タテ。球団創設後初の優勝へひた走る勢いだ。

前橋育英が初出場初優勝“カット打法”の「注意」が物議を醸す
―――高校野球

 『第95回全国高校野球選手権大会』の決勝戦が22日に行われ、夏初出場(センバツには2011年に出場)で決勝に駒を進めた前橋育英(群馬)と宮崎県勢初の決勝進出を果たした延岡学園の対戦となった。

 延岡学園は4回、2死満塁から薄田凌の内野安打と悪送球で2点を先制。さらに横瀬貴広のタイムリーでこの回3点目を奪うも、4点目は前橋育英の右翼手・板垣文哉による好返球で阻止される。

 すると直後の5回、前橋育英は田村駿人の本塁打。さらに無死一、三塁のチャンスを作ると、スクイズと小川駿輝のタイムリーで同点。7回には、土谷恵介の三塁打と荒井海斗のタイムリーで決勝点を挙げる。前橋育英の2年生エース・?橋光成(こうな)は9回無死一、二塁のピンチを招くも、捕手の好プレーなどもあり2死とすると、最後は相手投手の奈須怜斗を三振に斬って取り、ゲームセット。前橋育英が初出場初優勝。群馬県勢としては正田樹(現ヤクルト)を擁した1999年の桐生第一以来14年ぶり2回目の優勝を果たし、熱戦の幕を閉じた。

▲?橋光成(前橋育英)


 この前橋育英の全国制覇に大きく貢献したエース・?橋光成、同じく2年生エースとしてチームを牽引した安樂智大(済美)、ドラフト候補の松井裕樹(桐光学園)といった投手陣に、同じくドラフト候補の捕手・森友哉(大阪桐蔭)、若月健矢(花咲徳栄)ら20人の高校野球日本代表が決勝戦後に発表された。


 この代表選手団(西谷浩一監督、森友哉主将[ともに大阪桐蔭])は今月30日から台湾で行われる第26回IBAF18Uワールドカップに出場。WBCと同じ「侍ジャパン」のユニフォームで世界を相手に戦う。

 熱戦の裏では「事件」も発生。

 準々決勝の花巻東(岩手)vs鳴門(徳島)の試合途中、鳴門の捕手が「花巻東の二塁走者がサインを盗み、打者に伝達している」とアピール。花巻東側は否定したが、球審は二塁走者に注意。以降の疑わしい行為に関しても、高校野球連盟が厳しく取り締まる旨を花巻東側に通達した。

 しかし、「通達」はそれだけではなかった。この試合でも、相手エースの板東湧梧に計41球も投げさせ、1安打4四球と全打席出塁した、156センチの小兵打者・千葉翔太外野手の「“カット打法”が“スリーバント失敗”に該当すると判断される可能性がある」と、大会本部が花巻東側に通達。事実上、最大の武器を失った千葉は準決勝の延岡学園戦では1度も出塁できず、試合後は過呼吸になるほど号泣した。

 岩手大会から続けてきたこの打法が、この準々決勝の試合後というタイミングで「注意」を受けたことに関しては批判の声が多く集まった。

イチロー4000本安打
―――MLB

 イチローが足踏みすることなく4000本安打を記録した。

 前の試合で日米通算安打を3999本としていたイチローは、21日に本拠地ヤンキースタジアムで行われたブルージェイズ戦に「2番ライト」で先発すると、初回にキレイなレフト前安打を放ち、ついに日米通算4000本安打を達成した。

 日本での初安打はまだ登録名が本名の「鈴木一朗」だったルーキーイヤーの1992年7月12日、平和台球場で行われたオリックスvsダイエー戦で木村恵二から放った安打。そして、故・仰木彬監督(当時)の発案で「イチロー」と改名した1994年には130試合制では唯一となる200本安打を記録し、このシーズンは210安打(当時の日本新記録)で打率.385、首位打者を獲得した。他にも日本プロ野球史上最年少でのシーズンMVPをはじめ、最多安打、最高出塁率やベストナイン、ゴールデングラブ賞、正力松太郎賞を獲得した。

 1995年には阪神大震災により、本拠地・神戸は甚大な被害を受けたが『がんばろうKOBE』を合言葉にしたチームは躍進。見事リーグ制覇を成し遂げ、イチローも首位打者、打点王、盗塁王、最多安打、最高出塁率などのタイトルを獲得し、輝いた1年となった。

 1996年には日本一も達成し、渡米前の2000年までの9年間で1278安打を記録し、2001年からはMLBのシアトル・マリナーズでプレーを開始。開幕戦となった4月2日のアスレチックス戦に「1番ライト」で先発すると、第4打席で安打を放ち、メジャー初安打を記録。以降安打を量産し、守備でも「レーザービーム」と呼ばれた強肩を披露するなど大活躍。両リーグ通じて1位の337万票を獲得し、ファン投票でオールスター初出場。最終的にはMLB史上初(現在でも唯一)となるア・リーグの新人王、MVP、首位打者、盗塁王、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞の同時受賞を達成。チームの地区優勝に大きく貢献し、イチローの名を全米中に轟かせた。

 その後、チームの成績は伴わなくなるものの、2004年にはジョージ・シスラーが持っていた記録を5本上回る、シーズン262安打を記録。2001〜2010年まで10年連続で200安打以上を記録した。その間には、MLBオールスターでランニングホームランを記録したり、2大会連続でWBCに出場し、日本を世界一に導く活躍をした。昨年7月にはニューヨーク・ヤンキースへ移籍。そして今年8月21日での大記録達成となった。

 MLB史上、4000本以上の安打を放っているのはピート・ローズ(4256安打)とタイ・カッブ(4191安打)のみ。

 まだまだ向上心の衰えないイチローには、決して不可能ではない数字に思える。日本が誇る安打製造機の今後をこれからも期待していきたい。

 今年も様々な悲喜こもごものドラマが起こった甲子園。彼らそして彼らを支えた多くの関係者が、この経験を生かし、さらに充実した人生を送るための糧としていってもらいたい。


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


<<野球界の主なスケジュール>>
女子プロ野球関連

2013年度合同トライアウト開催のお知らせ
 日本女子プロ野球リーグでは、2013年度合同トライアウトの開催が決定いたしました。今年度は、関東・関西の二拠点での開催を予定しています。

◆受験資格◆
・2014年4月1日時点で満30歳未満の女性であること。
※在学中の者は、2014年3月、高校・大学・各種専門学校を卒業見込みであること。
※未成年者は保護者の承諾が必要となる。

【締め切り】
2013年8月29日(木)必着

詳しくは女子プロ野球公式HPでご確認ください。


アマチュア野球スケジュール

☆高校野球☆
8月30日〜 第26回18U世界野球選手権大会(台湾)

★大学野球★
8月31日 東京六大学野球オールスターゲーム in 静岡(草薙球場)
8月末〜  各リーグで秋季リーグ戦が開幕

◎社会人野球◎
日本選手権最終予選スタート
北海道 8月30日〜札幌市円山球場
東北  8月30日〜こまちスタジアム
北信越 9月14日〜ハードオフエコスタジアム新潟
関東  8月28日〜大田スタジアム
東海  9月7日〜 岡崎市民球場
近畿  9月7日〜 わかさスタジアム京都・皇子山球場
中国  9月12日〜東広島アクアスタジアム
四国  9月14日〜高知東部球場
九州  9月11日〜サンマリンスタジアム・アイビースタジアム

9月6日〜9日  クラブ野球選手権(西武ドーム)


プロ野球の主な予定

12球団それぞれで夏のイベントを実施しています。詳しくは各球団のHPでチェック!

8月30日〜9月1日
9月3日〜5日 『レジェンド・シリーズ2013』パ・リーグ6球団合同イベント

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