高校野球の最前線をお伝えする連載企画「高校野球最前線 秋の陣!」。先週はどんなニュースがあったのかチェックしていきたい。
10月10日、東京都大会の決勝が行われ、国士舘が帝京を6対0で下し、優勝を決めた。これで全地区の秋季大会が終わった。センバツ出場枠をめぐって関東地区のチームとの比較になる帝京にとってはやや厳しいスコアになった。
不祥事などがない限り、センバツ当確切符をつかんだ高校を改めて紹介しよう。
■北海道
白樺学園
■東北
仙台育英/鶴岡東
■東京
国士舘
※残り1枠は関東との比較
■関東
健大高崎/山梨学院/東海大相模/桐生第一
※残り1枠は東京との比較
■北信越
星稜/日本航空石川
■東海
中京大中京/県岐阜商
■近畿
天理/大阪桐蔭/履正社/智弁学園
※残り2枠
■中国
倉敷商/鳥取城北
※残り1枠は四国との比較
■四国
明徳義塾/尽誠学園
※残り1枠は中国との比較
■九州・沖縄
明豊/大分商/創成館/鹿児島城西
11月4日の近畿大会決勝で天理が大阪桐蔭を12対4で下し、神宮行きを決めた。準決勝では履正社を下しており、大阪2強を退けての奈良3位からの下剋上を達成。
今秋の近畿大会の舞台は奈良・橿原神宮にある佐藤薬品スタジアム。奈良勢の“打撃戦全開野球”が目立った。天理は特にどこからでも本塁打が飛び出す強力打線を擁し、4試合で38得点と圧勝した。
大阪桐蔭も見どころは十分。1年から中軸を担ったスラッガー・西野力矢が本格化、明石商の中森俊介から逆方向に本塁打を放ち、決勝戦でも一発を放り込んだ。楽しみな打撃職人になりそうだ。
11月4日、日本高野連が設置した「投手の障害予防に関する有識者会議」の最終会合があり、1人当たりの1週間の投球数を500球以内にする投球制限案の骨子がまとまった。
来春のセンバツから3年間の試行を目指すが、たとえば今春の日程でいくと1週間で最大4試合が行われていた。思いのほか厳格な縛りになりそうだ。現時点では罰則なしのガイドラインとして提示される予定だが、仮に試行が決まり、それを破ったとすれば、世論は精神論では済まさないだろう。
これが早期に本決まりすれば、センバツの選考にも影響を与えそうだ。これまで選出の理由として「エースの存在」、不選出の理由として「エースに頼りすぎ」など、場合によっては相反する理由を挙げることもあったセンバツ選考も一貫した複数投手重視に変わるのではないだろうか。
文=落合初春(おちあい・もとはる)