最近では、2015年にソフトバンクの工藤公康監督とヤクルトの真中満監督が、新人監督として就任したシーズンに優勝という快挙を達成したが、普通に考えれば、いきなり結果を出すのは簡単ではない。
しかし西武は、過去の歴史を見ると監督が変わったタイミングで好結果が出ていることが多い。
所沢に移転して、「西武ライオンズ」となった1979年シーズン以降、新監督監督が就任した年の成績は以下のようになっている。
1982年就任
広岡達朗:1位
1986年就任
森祗晶:1位
1995年就任
東尾修:3位
2002年就任
伊原春樹:1位
2004年就任
伊東勤:1位
2008年就任
渡辺久信:1位
2014年
伊原春樹:5位
2015年就任
田邊徳雄:4位
上記のうち、2014年の伊原春樹監督は2度目の登板、2015年の田邊徳雄監督は、前年途中から監督代行となっていた。純粋に1年目ということでカウントすれば、6名中5人がリーグ優勝し、残る1名も3位。すべてAクラスには入っているのだ。
辻新監督は、すでに「クリーンアップでも場面によってはバントのサインを出す」との方針を表明。監督として「のびのび型」か「管理型」か、どちらかで分類するなら、おそらく後者に近いスタイルになるのではないか。
管理野球といえば、1982年から4年間西武を率いて、3度のリーグ優勝・日本一を成し遂げた広岡達郎監督の代名詞でもある(ヤクルトの監督時代は1978年にリーグ優勝・日本一)。
ただ、最近の西武の指揮官として成功した渡辺久信監督(現西武シニアディレクター兼編成部長)は、のびのび型。6年間でリーグ優勝・日本一は2008年の1度だったが、Bクラスも1度だけと安定した成績を残した。
辻監督が、キャンプ、オープン戦、シーズン開幕と進む中で、自身の野球観をどう選手に伝え、結果につなげていくのか。2008年以来のリーグ優勝に向けて、辻新監督の手腕が問われる。
文=藤山剣(ふじやま・けん)