【君はこんなもんじゃない選手名鑑2014】
☆小気味よい速球派左腕
清峰高(長崎)ではチームを創部初の甲子園に導き、夏の甲子園ベスト16入り。日本文理大ではエースとして活躍。1人1イニングでの交代が当たり前になっているチームのなかで、長いイニングを任される特別な存在だった。全国大会でも140キロ台後半の速球を何度も披露している。当時は神宮球場のスピードガンが水増し最盛期だったとはいえ、スライダーを交えた小気味のいい投球は間違いなく本物。多少アバウトなところはあるが、見ていて気持ちいいピッチャーだった。
2009年のドラフトではオリックスが1位指名。一部のファンからは「1位で中継ぎ要員を獲るのは…」との声も上がったが、ゆくゆくはセットアッパーになれる器だから、悪くない指名だと思えた。将来像はオリックス・ブルーウェーブ全盛期に活躍した野村貴仁。小さくても力でガンガン押していく古川の姿が野村とダブって見えた。いずれは野村のように、勝ちパターンで投げてくれるに違いない――そんな夢が描ける指名だった。
☆年々、出番が減少…
期待にこたえ、古川は1年目から33試合に登板。順調な滑り出しを見せたものの、2年目以降は12→10→3と、年を追うごとに登板機会が減っていった。昨年は開幕早々に中山慎也に吉野誠、松本幸大ら左の中継ぎ陣が大炎上。「こんな時こそ古川を…」と思っていたら、以前とは別人のように球が走らなくなっていた。
「あれっ、おかしいな。昔はもっと馬力があったはずなんだけど。でも古川だよな。うーん、これではそこらの『左だから獲ってもらいました』という人たちと大差ないぞ。力をセーブしているのではなく、力を入れても球がいかないのか…?」
結局4月までに3試合投げただけ。9月以降に再び1軍に上がってきたものの、登板機会はなかった。