機会があれば、山崎康自身が更新するTwitterをのぞいて欲しい。ベテラン、新人、リーグ、外国人選手を問わず、満面の笑顔での山崎康と収まるツーショット写真が満載となっている。
先日のオールスターゲームでも、阿部慎之助(巨人)、鳥谷敬、糸井嘉男(ともに阪神)といったベテラン名選手とのツーショット写真、松井裕樹(楽天)をはじめする若手との集合写真を続々アップ。一緒に映る選手の笑顔を見ると、いかに屈託ない態度で山崎康が写メをお願いしている様子が、目に浮かぶ。
新人王の獲得、侍JAPANへの選出、ヤスアキジャンプなど人気、実力ともに話題に事欠かない山崎康ではあるが、その人気は明るいキャラクターのなせる技とTwitterを見れば納得できる。
DeNAの選手とSNSといえば、「ハマの番長」こと三浦大輔のブログだったが、山崎康のTwitterはその人気に匹敵する賑やかさを見せている。
DeNAのファンの間では、山崎康はファンサービスに熱心であることでもよく知られている。どんな場面でも、時間が許す限りサインや握手、写真撮影のリクエストに応じている。キャンプでも1時間以上、サインしていた。そして、いつも笑顔でファンの呼びかけに応えるのだ。
帝京高からその厳しさで知られる東都大学リーグの雄・亜細亜大に進学した野球エリートの山崎康。なぜ、これだけファンに親しまれるキャラクターを育むことができたのか。
山崎康は小学3年のときに両親が離婚し、その後は母親の女手一つで育てられた。テレビにも何度か登場した明るいお母さんの人間性と、そのお母さんへの感謝が山崎康のキャラクターの核にあるのだろうと、筆者は感じている。
山崎康はプロ入り以来、オフのクリスマス前に必ず海外に出かけている。目的は勉強。アマチュア時代は長い休みがなかったことから実現できなかったが、以前からやりたかったのが、まとまった休みを利用した短期留学だったのだ。
その向学心にも頭が下がるものがあるが、Twitterを見ていると、あらためてその社交性と好奇心にも驚かされる。
筆者の私見では、ステレオタイプな野球人は礼儀正しく、何事にも一途な真面目人間。ただ社交性をどこでも発揮できるタイプではないという印象なのだが、山崎康のように積極的なコミュニケーションで周囲とつながっていく人物は珍しく感じられる。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)