折角の機会なのでファイナルステージについても予習をしておきたい。
ファーストステージを突破したチームは、リーグ優勝を果たしたチームと戦うことになる。球場は優勝チームのホームグランドだ。
試合は先に4勝した球団の勝利となるが、リーグ優勝したチームには1勝のアドバンテージが与えられる。つまりリーグ優勝したチームは実質3勝で勝利となるが、ファーストステージの勝者は4勝しなければならない。
熱烈なカープファンで埋め尽くされたマツダスタジアムで、広島が3勝する前に4勝を挙げる。それが突破の条件だ。ちなみにセ・リーグではCSが導入された過去9年において、リーグ優勝チーム以外のチームが日本シリーズに勝ちあがったのは、2007年の2位・阪神と2014年の2位・阪神のみである。
広島は野村謙二郎監督時代の2013年、2014年にCS進出を果たしている。いずれもファイナルステージ突破には至らなかったが、現メンバーにもその経験者は多い。そして「神ってる」のフレーズが示すように、勝負強さが自慢のチームだ。
今シーズンのDeNAの広島との対戦成績は12勝13敗。9月25日現在、17.5ゲーム差をつけられているものの、互角に渡りあっている。
それもそのはず、対広島のチーム防御率3.17はセ・リーグ球団のなかで最も抑えている。チーム打率.267とこれまたセ・リーグ相手では最も打っているのである。
警戒すべきは対DeNAにおいて、打率は安部友裕(.388)に次ぐ.329を残し、チーム最多の5本塁打を記録している鈴木誠也だ。得点源となる選手に仕事をさせなければ、広島を打ち負かす可能性はグンと高まる。
ファイナルステージのDeNAサイドのキーマンとなる選手はだれか? 投手では、対広島の防御率1.67で3勝を挙げている今永昇太。そして打撃陣ではもちろん、4番の筒香嘉智だ。広島との対戦成績は打率.359、11本塁打と相性はバッチリだ。
「取らぬ狸の(皮算用)……」と言われても仕方がないが、DeNAファンとしては1998年以来のポストシーズンマッチを、妄想を膨らませながら楽しみたい。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)