故障者は出たものの、エースと守護神が確立しリーグ2位に躍進。近年のドラフトで整備された投手陣に打線が奮起すればAクラス
2年連続CS進出を目指すベイスターズ。攻撃面の大穴を埋められれば、目標達成は可能だ。
投手陣は近年のドラフト戦略が功を奏し、先発は今永昇太、救援は山崎康晃と、いずれも生え抜きで軸が確立。そのなかで石田健大、?口遥大、東克樹、上茶谷大河と上位指名選手が軒並み戦力となった。ただ、全般に故障がちで東は左肘手術。新助っ人右腕のピープルズに期待がかかる。
一方で野手陣では、筒香嘉智(現レイズ)がメジャー移籍。新助っ人のオースティンは中軸候補だが、ソト、ロペスが健在で、投手陣でもエスコバー、パットンが不可欠、となると外国人枠に阻まれる。ゆえに穴埋め補強とは言い難く、若手を含めた攻撃陣全体で補うことになりそうだ。
ドラフトでは1位で高校生内野手の森敬斗を獲得。小柄でも走攻守すべてスピード感があり、将来の1番打者として期待される。
先発陣は昨季13勝を挙げた今永が軸となる。二番手以降は6勝を挙げた濱口、1年目にして7勝を挙げた上茶谷、6勝の大貫晋一がいて、経験豊富な7年目の井納翔一も健在。さらに、5勝を挙げた若手の平良拳太郎、新加入右腕のピープルズも有力候補だ。
救援陣は抑えの山崎が中心で、セットアッパーはパットン、左のエスコバー。中継ぎは三嶋一輝、国吉佑樹、武藤祐太、藤岡好明、左の石田健大と駒がそろってバリエーション豊富。エスコバーの右膝負傷は気がかりだが、もしもの場合は石田を代役にして、中継ぎの左は砂田毅樹に任せたい。
捕手陣は伊藤光がレギュラー。昨季は移籍2年目で投手陣全体を把握した感があり、随所でリード面が光っていた。ゆえに8月の離脱は痛かったが、その点、控えの嶺井博希、戸柱恭孝が主力級の守備力を備えているのは大きい。
昨季の筒香は29本塁打で79打点。ほかに同等の数字を残せる日本人選手はチームにいないわけだが、まず左翼を誰が守るのか。お薦めは佐野恵太で、大学出3年目の昨季は打力向上。89試合出場で規定未満ながら3割近い打率を残し5本塁打、10二塁打。代打でも打率.344と結果を残したが、今季は2番・左翼に抜擢したい。
その上で1番に神里和毅を据え、中軸はソト、ロペス、宮崎敏郎。6番には長打力のある伊藤光、7番には出塁能力の高い柴田竜拓、そして9番に"つなぎ役"の大和。ただ、いずれにしても佐野ひとりで穴は埋まらない。ラミレス監督の采配に注目したい。
守りは年々改善され、昨季は65失策。守備率はリーグ2位だった。内野の要の二遊間は柴田、大和で安定。外野は神里は無難でもソト、佐野は不安が残る。