オコエ世代の投手陣では、やはり高卒ドラ1の2名が気になるところ。
まずは、10月8日に誕生日を迎える小笠原慎之介(中日)。ルーキーイヤーの昨季は、2勝(6敗)を挙げる上々のスタートとなった。
特に初勝利は、2位の巨人を東京ドームで撃破してのもので、非常に価値が高い。同時にプロ入り初の2ケタ奪三振も達成するなど、あらためて非凡な才能を感じさせてくれた。
もう1人は高橋純平(ソフトバンク)。故障を抱えてのプロ入りだったものの、6月に2軍で先発できるまでになり、フレッシュオールスターゲームでは自己最速を更新する154キロを出した。2軍では通算7試合に登板し、2勝1敗と勝ち星が先行。規定投球回には満たないものの防御率も2.22をマークした。
しかし、シーズン後半に調子を落とし、9月30日の1軍昇格は1つ上の松本裕樹に譲る、という悔しさも味わった。
昨年の秋季キャンプでは強化指定選手にも抜擢され、首脳陣の期待の高さをうかがわせる。今季は、早ければ5月8日のハタチの誕生日前にも、1軍で初勝利を挙げる姿が見られるかもしれない。
一方、野手では世代の代名詞にもなっているオコエ瑠偉(楽天)と平沢大河(ロッテ)が旗手となる。
昨季のオコエは春季キャンプから1軍で過ごし、楽天史上初となる「高卒ルーキー開幕1軍」の座を獲得。
そして、開幕戦では代走ながら1軍デビューを達成。その後は結果を出せずに一度は2軍落ちも経験したが、交流戦直前に再び1軍へ上がるとプロ入り初本塁打を打つなど気を吐いた。
今オフは体重を増やすなど、今季に向けた準備も滞りなく進んでいる様子だけに、2年目の飛躍に果たしたいところ。
平沢もオコエと同様に高卒ルーキーながら1軍を経験し、プロ入り初ヒットを打つなど素質の片鱗を見せた。
平沢の場合、彼のポジション(遊撃・二塁)に、チームのキャプテンである鈴木大地、売り出し中の中村奨吾がいるため、試合に出るためには彼らを押しのける必要がある。
いつかは超えなければならないハードルなので、10代の若さと勢いを武器に、先輩たちを脇へ追いやるような働きを期待したい。
まだ2年目とはいえ、高橋以外は1年目から「できる」ところを見せているだけに、ついつい期待が大きくなってしまう。
ダルビッシュ有(レンジャーズ)、涌井秀章(ロッテ)、坂本勇人(巨人)、大谷翔平(日本ハム)など、侍ジャパンに選ばれるような高卒スター選手は、2年目でブレイクしている選手も多い。それだけに、今季が1つの試金石という思いもある。
プロに慣れた2年目が、彼らにとってどのようなシーズンになるのか。楽しみに見ていきたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)