巨人の期待の若手、岡本和真がプエルトリコでのウインターリーグ遠征を終え、12月24日に帰国した。
日本を発ったのが10月27日だから、滞在期間は約2カ月。同じ巨人のチームメイトである高木勇人、平良拳太郎とともにカロリーナ・ヒガンテスに所属し、岡本は34試合に出場。本塁打がゼロだったのは物足りないが、109打数26安打で打率.257と、まずまずの数字を残した。
現地ではサードやファーストの守備につき、打順は6番、7番が中心。打撃はもちろん、ユニフォームを泥だらけにするような積極的な走塁でもアピールした。
2014年秋のドラフト1位で巨人に入団した岡本は、ルーキーイヤーだった2015年の8月27日に、早くも1軍登録。通算3打席目となった9月5日には、砂田毅樹(DeNA)からレフトスタンドへ2ランを放った。
初ヒットがホームランというドラ1らしい派手なパフォーマンス。結局、1年目から17試合に出場と、高卒としては、上々の滑り出しだった。
そうなると2016年は、うまくいけば村田修一とサードのポジション争いを演じてくれるものと考えたファンも多かったはず。しかしそう甘くはなかった。
ふたを開けてみれば、レギュラーを獲るどころか、1軍では5月下旬に3試合出場したのみ。村田がセ・リーグ三塁手部門のベストナインとゴールデン・グラブ賞に選出されるほどの復調を見せたこともあって、勝負の土俵にもたどり着かないような状況だった。だからこそ今回、武者修行に出たのだろう。
甲子園常連校としておなじみ、奈良の智辯学園出身の岡本。系列高の智辯和歌山も含めて「智辯出身は大成しない」などと言われることもあった。学校の知名度が高すぎる故の都市伝説的な話ではあるが、智辯和歌山OBからは西川遥輝(日本ハム)がブレイクし、岡田俊哉(中日)もセットアッパーとしての地位を確立しつつある。
岡本も、チームやファンの期待に応えるために、そして母校・智辯学園の名前をより高めるためにも、今回のプエルトリコ遠征を糧にして、2017年につなげたいところだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)