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巨人をトラウマ級の3タテ。強すぎる広島! こうなったらあえて“アラ”を探してみた!

2017年シーズンも好調な滑り出しを見せる緒方孝市監督(広島)

 昨季、日本中で赤ヘル旋風を巻き起こした広島。今季もいざシーズンが始まってみると12試合終了時点で10勝1敗1分。いきなり独走体勢に入ろうとしている。

 強い、強すぎる──。

 いや、強いのはわかっていたはずだ。昨季は2位・巨人に17.5ゲーム差をつけての圧倒的優勝だった。

 しかし、そうなると「逆張り」の虫がうずいてくる。実際にシーズン前には「黒田が抜けた穴」「昨季がピーク、不調の選手が現れる」との理由で、多くの評論家が広島を2位、もしくは3位と予想していた。

 ちなみに筆者は評論家でもなんでもないが、「独走の翌年は優勝できない」などというイチャモンを当コラムで書いたこともある。

 それでもなお、「まだ4月だ!」と開き直り、あえてカープを褒めるのではなく、“アラ”を探してみたいと思う。

(成績は4月13日時点)

黒田博樹の穴


 なんといっても黒田の引退は手痛い。「精神的支柱」といったメンタル論はともかく、昨季10勝8敗のローテーション投手が1人抜けたのである。

 さらには開幕戦で阪神を相手に4回途中7失点のノックアウトを食らったジョンソンも咽頭炎による体調不良で2軍落ちしている。

 これは先発陣が大崩壊しているのではないだろうか!

 と、思いきや、意外にも簡単にやりくりができた……。昨季、不完全燃焼に終わった九里亜蓮と大瀬良大地が躍動。加藤拓也と床田寛樹のルーキー2人も先発登板をしており、特に加藤は初登板で9回1死まで被安打ゼロ。あわやノーヒットノーランの衝撃デビューを果たした。

 ジョンソン不在でもここまでやれるとは正直思わなかった。守護神・中崎翔太も右腹部の違和感で離脱中だが、今村猛らが後ろに回り、ジャクソン、ヘーゲンズ、新外国人のブレイシアの助っ人三人衆がリリーフ陣を支える態勢に入っている。

 ジョンソンが戻ってくると同時にこの3人のうち誰か1人が2軍に落ちることになるだろうが、逆に言えば調子のいい2人が残るということ。むしろ、ジョンソンと中崎の離脱が選手層の強化につながる気がしてならない。

打線も絶好調! じゃあ誰に白羽の矢を立てる?


 打線は言うまでもなくセ・リーグナンバーワンだろう。とにかく打ち勝っている。

 年齢が懸念材料だった新井貴浩、エルドレッドも絶好調で4月12日の巨人戦では2人揃って2打席連続ホームラン。丸佳浩、鈴木誠也、田中広輔らも打率3割を超え、チーム打率は.287。盗塁もリーグトップの13個と昨季の積極性は健在だ。

 強いて挙げれば、WBC帰りの菊池涼介が打率.250とやや出遅れているが、スランプというほどではない。

 アラを探してみても、現段階ではなかなかアラが見つからない……。「打線は水物、今は打ち勝っていてもどうなるかわからない」という小言ぐらいしか思い浮かばない。悔しい!

 こうなったら、伸び悩む堂林翔太でも槍玉に挙げようか、と邪心が芽生えたが、代打で打率.429(7打数3安打)、出塁率.500。なんと代打の切り札になっていた。

 叩きどころがないので、もう一度繰り返したい。打線は水物である、と。


忘れるな、好調は鯉のぼりの季節までだ


 投打ともに瑞々しく、今のところは“アラ”が見当たらない広島。しかし、カープファンは忘れているのではないだろうか。広島のスタートダッシュは「恒例の椿事」であったことを。

 広島で育った非カープファンである筆者は何度も目撃した。4月の好調で「今年は優勝じゃああああ!」と気勢を上げ、梅雨頃になると「なんだかんだ言うても、鯉のぼりの季節までなんよ」と達観したフリをするカープファンの姿を。

 オールドカープファンの皆さん思い出してください。不安になってください。この好調は幻です!

 「前田健太の穴」「打撃は水物だ」「春だけ」。昨年も同じようなことを言った気がするが、やっぱり逆張りはやめられない。

 現段階ではアラは見つからなかったが、今後もカープの試合に気を配り、重箱の隅までじっくりと覗き込んで、不安な点が見つかり次第、針小棒大にお伝えするつもりだ。

文=落合初春

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