■パ・リーグ野手:ブレイク候補@
オコエ瑠偉(楽天)
2016年はルーキーながら51試合に出場したオコエ瑠偉(楽天)。初本塁打を放つなど「もってる」ところを示し、2年目のブレイクが期待された。しかし昨季はキャンプイン前日に胃腸炎を患い、キャンプ2日目に右手を故障。スタートからつまずいてしまった。
出遅れたことが影響し、出場試合数は41試合と前年を下回ったが、各スタッツを見ると、打率.300を筆頭に軒並み成績を上げている。プロの水に慣れ、着実な成長を感じさせた。
ならば順調にきている今季こそ、本領を発揮するとき。2015年のドラフト1位の才能が開花する瞬間を、しっかりと見届けたい。
■パ・リーグ野手:ブレイク候補A
平沢大河(ロッテ)
オコエと同期で、2015年のドラフト1位でロッテに入団した平沢大河も、今季のブレイクが期待される。2年目の昨季は50試合に出場して打率.176、守備では9失策と物足りない成績に終わったが、終盤に初本塁打を放つなど上昇カーブを描いた。
昨年の秋季キャンプでは井口資仁新監督がベタつきで指導するなど、期待値はチームの若手の中でも高い。その期待に応えるためにも、もちろん自分のためにも、ブレイクは至上命題だ。
平沢が就く遊撃は、昨季、主将の鈴木大地をコンバートしてまで空けたポジション。今季はルーキーの藤岡裕大らが遊撃争いのライバルとなるが、ぜひとも自分の居場所にしてほしい。
■パ・リーグ野手:ブレイク候補B
鈴木将平(西武)
秋山翔吾はもとより、外崎修汰も侍ジャパンまで上り詰め、外野のレギュラー争いが激化した西武。ファンとしては残り1枠を誰が奪うのかが気になるが、その筆頭候補であり、ブレイク街道まっしぐらなのが2年目の鈴木将平だ。
昨季はルーキーながら2軍で101試合に出場して打率.280、32打点、15盗塁という好成績をマーク。2軍とはいえいきなりプロに順応し、抜群のセンスを見せた。
ドラフト時には「将来の切り込み隊長」と評する声が大きかったが、早くもその将来像が実現しようとしている。
選手なら誰もが望むプロでの成功だが、大成する選手はほんのひと握り。毎年、新しい選手が入団してくるので、埋もれないためにも爪あとを残すことが大事だ。
今回紹介した3選手はすべて高卒で3年以内のキャリア。まだ時間的猶予はあるが、1日でも早い大爆発に期待したい。
それが自分のため、チームのため、そして、侍ジャパンのためにもなるのだから。
文=森田真悟(もりた・しんご)