高校野球の最前線をお伝えする連載「高校野球最前線 秋の陣!」。先週はどんなニュースがあったのかチェックしていきたい。
3年生にとって最後の大会になる茨城国体が9月29日に開幕。1回戦、星稜と智辯和歌山のカードでドラ1候補の奥川恭伸(星稜)が先発登板した。最速150キロを記録したものの、4回途中2失点。結果的に高校ラスト登板になった奥川は試合後にプロ志望届の提出を表明した。次なる舞台はプロへ移る。
同カードは木製バットでの対決になったが、気迫を見せたのは智辯和歌山・黒川史陽。黒川もプロ志望届を提出し、ドラフト指名を狙う一人だが、星稜戦では奥川からの2安打を含む、計4安打。続く仙台育英戦でも3安打を記録した。
仙台育英も3年生は木製バットで智辯和歌山に挑んだ。“国体=木製バット”が新たな潮流になるかもしれない。ドラフト指名を目指す3年生にとっては木製への対応を示すチャンスになることも間違いない。
9月30日には茨城国体に明石商も登場した。関東一に0対5で敗れたものの、注目を集めたのはやはり151キロ右腕・中森俊介(2年)。3回無失点にまとめ、好調ぶりをアピールした。
明石商は来春のセンバツに向けた秋季兵庫県大会も順調に勝ち上がっている。9月21日の3回戦、中森は関西学院戦で甲子園以来の公式戦登板。制球がまとまらず、5四死球を出したが、6回1失点。やや不安が残る立ち上がりだったが、続く9月23日の赤穂戦では、5回無失点で見事に修正した。
10月5日に神戸国際大付との準決勝を迎えるが、現時点で世代ナンバーワン評価を得る右腕の投球に注目したい。
9月29日、オリックス、広島がプロテストを開催した。この時期は一般非公開も含め、各球団がプロテストを実施しており、プロを目指す選手たちにとっては狭き門をこじ開けるチャンスになっている。
特に育成も含めたドラフト当落線上の選手は気合が入ったことだろう。担当スカウトがプロテストに誘い、コーチ陣のお眼鏡に適えば獲得というケースも少なくない。
なお、高校生、大学生の参加条件にはプロ志望届提出済の項目がある。日本高等学校野球連盟、全日本大学野球連盟のホームページなどを細かくチェックしておくと参考になるだろう。
文=落合初春(おちあい・もとはる)