「アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」は今年の11月16日(木)から19日(日)にかけて東京ドームで開催される。出場国は日本、韓国、台湾の3チーム。ネーミング的にはかつての「アジアシリーズ」を思わせるが、今回のアジアチャンピオンシップはU-24(または入団3年以内の選手)の各国代表による代表戦だ。
今大会の特徴はオーバーエイジ枠。チームに3人まで認められている。サッカー五輪代表などでよく知られているオーバーエイジ枠だが、野球ではあまり馴染みがない。
しかし、2014年に台湾で開催されたIBFA 21Uワールドカップでは3人のオーバーエイジ枠が認められ、中村勝(日本ハム)、牧原大成(ソフトバンク)、榎本葵(当時、楽天)が選出された。
中村勝はその年、8勝を挙げてプチブレイクを果たしたが、全体的には玉虫色の選考。3選手には大変申し訳ないが、忌憚なく言えば、ファンの記憶にはあまり残らない大会だった。
今大会はU-24にあたる選手の選考はもちろん、オーバーエイジ枠をどこまで豪華にできるか。第1回から開催国としての熱意が試されることになりそうだ。
先述の通り、正直影が薄い2014年のIBFA 21Uワールドカップ(結果は台湾に敗れて準優勝)ではあるが、その代表選手を見返すと大会の秘めた価値が見えてくる。
「神ってる」こと鈴木誠也(広島)や田口麗斗(巨人)、若月健矢(オリックス)、近藤健介(日本ハム)、北條史也(阪神)らが代表に名を連ね、その後、所属チームの主力として台頭している。
昨年の11月から12月にかけてメキシコで開催された後継大会・WBSC U-23ワールドカップでは、日本は見事世界一に輝き、真砂勇介(ソフトバンク)、武田健吾(オリックス)、植田海(阪神)ら、期待の若手が次々と躍動した。
アンダー世代の国際大会はひとつの登竜門。今シーズンもワールドカップ出場組が頭角を示せば、その価値はますます上昇するはずだ。
もちろん、まずは目の前のWBC、そしてレギュラーシーズンも重要だが、一目置いている若手選手が今回のアジアチャンピオンシップに出場できるかを考えながら観戦してみると、面白さも一味変わりそうだ。
たとえば、注目はキャンプイン初日にまさかのケガで離脱したオコエ瑠偉(楽天)。打撃やコンディショニングなど課題は残るが、11月のこの舞台であれば十分に射程圏内。出場すれば世間的にも大きな話題になるだろう。
文=落合初春(おちあい・もとはる)