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【日刊野球太郎】戦力外となった村田修一と大村直之の共通点とは?

文=勝田聡

2018年もNPB所属先が決まらない村田修一
 年が明け、星野仙一氏が逝去。しばらくはスポーツメディアの報道は星野氏一色となり、大谷翔平(エンゼルス)やパドレスへの移籍が決まった牧田和久の話題が霞んでしまった。また、例年ならそれなりに大きく扱われる新人選手の入寮に関する話題も扱いは小さい。これは星野氏が偉大さの証にほかならない。

 そんな状況で、比較的大きな扱いを受けていたのが村田修一だった

両リーグの最下位球団は手を挙げず……


 2017年オフに巨人を自由契約となった村田。1980年生まれの「松坂世代」で、2018年12月には38歳を迎える。

 2016年はベストナインに選ばれ、ゴールデン・グラブ賞も受賞。2017年は新加入のマギーに居場所を奪われる格好だったが、シーズン半ばから三塁のレギュラーに定着。118試合に出場し、打率.262、14本塁打、58打点の成績を残すなど、まだまだ健在なところを見せた。

 横浜(現DeNA)時代の2008年に46本塁打で本塁打王を獲得して以降、30本塁打の大台には届いていないものの、ルーキーイヤーの2003年から15年連続2ケタ本塁打は継続中だ。また、通算1865安打と2000安打まであと135本。打撃、集客、グッズ売り上げと様々な貢献が見込まれるため、起用法にこだわらなければ、すぐに移籍先が決まるものと思われていた。

 2017年に村田の本職である三塁と、出場機会が増えた一塁を固定できなかったチームは多い。特に川端慎吾、畠山和洋と一、三塁のレギュラーを欠いたヤクルト。そしてダフィー、井上晴哉が機能しなかったロッテは手を挙げるかと思われた。

 しかし、ヤクルトは川端と畠山の復帰を見込み、また、ドラフト1位の村上宗隆を三塁へコンバートする方針を打ち出すなど、次世代までのプランを遂行中。川端が復帰できなかったとしても、藤井亮太らで埋める算段だろう。

 一方のロッテは鈴木大地を三塁へコンバート。また、ドラフト1位の大型スラッガー候補・安田尚憲を獲得し、次の三塁を埋めた。さらには村田ではなく、新外国人野手のドミンゲスを獲得。また、一塁には2000安打目前の福浦和也がいる。

これで両球団の目はなくなったといえるだろう。ほかの球団も現時点で具体的なオファーは出していないと見られている。

大村との意外な共通点?


 過去には、今岡誠(2009年オフ、当時阪神)、中村紀洋(2010年オフ、当時楽天)、大村直之(2010年オフ、当時オリックス)、松中信彦(2015年オフ、当時ソフトバンク)といったタイトルホルダーたちが年越しでオファーを待った。その結果、今岡はロッテ、中村は横浜からオファーを受けたものの、大村と松中はユニフォームを着ることなく現役を引退している。

 実は大村と村田にはちょっとした共通点がある。大村は戦力外となった2010年までに村田と同じ通算1865安打を放っており、大台目前だったのだ。また、大村は過去に近鉄からFAでソフトバンクに移籍しているが、球団消滅のために近鉄からFA移籍した最後の選手となった。同様に村田も横浜最後のFA移籍選手だ。通算1865安打、最後のFA移籍選手という2つの共通点がある村田と大村。「年越しするもオファーがない」という結末も新たな共通点に加わってしまうのだろうか……。

 春季キャンプまで1カ月を切ったが、現時点で具体的な進展を伝える報道はなく、今シーズンの去就は未定。本人はリミットを7月31日と設定し、独立リーグなどを含めた移籍も視野に入れているという。はたして村田に吉報は届くのだろうか。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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