2014年オフに日本ハムと契約し、主砲の期待をかけられたブランドン・レアード。
迎えた2015年の開幕戦では6番・三塁で出場し、猛打賞の活躍。「優良外国人」として好スタートを切った。3戦目で初本塁打を放ち、4戦目では2試合連続本塁打。そのまま好調を維持するものと思われた。
しかし、4月の上旬から徐々に打撃は下降線を辿り、交流戦が始まる頃には打率が2割を切ってしまう。打順も8番が定位置となり、9番に据えられる日もあった。外国人選手としては屈辱的な扱いだ。
とはいえ、栗山英樹監督は調子の上がらないレアードの復調を信じて、起用し続ける。かつて「主砲候補」時代の中田翔を4番で使い続けたのと同じように。
栗山監督の我慢強さが実り、7月後半には打率が2割を超え、シーズンが終わってみれば打率.231、34本塁打、97打点の成績を残すことになる。
来日2年目の昨シーズンは39本塁打で本塁打王に輝き、日本シリーズではMVPを受賞。今シーズンから2年総額6億円(推定)で契約した。
契約延長が決まった際には、「不調だった時期に我慢して使い続けてくれた栗山監督に感謝している」とコメント。スランプをともに耐えた指揮官への信頼がレアードをやる気にさせたようだ。
今シーズンは不調のチームにあって、レアードも打率.218と低迷。2015年のようにV字カーブを描いて復調して、お得意の「寿司パフォーマンス」で盛り上げてほしい。
2012年オフにDeNAと契約したナイジャー・モーガン。2013年の開幕戦で初安打を放ったものの、その後は打棒が振るわず、打率.150を切る大スランプ。4月20日には登録抹消となる。
しかし、5月に復帰してから調子を上げ、6月、7月、8月と打率は3割超え。最終的には108試合に出場し打率.294、11本塁打、50打点の成績を残している。
また、モーガンは「トニー・プラッシュ」という別人格を披露する陽気なキャラクターでも人気を博していた。
「メジャーの問題児」というレッテルを貼られての来日だったが、そんなそぶりは見せずに成績も上々。人気者の残留を多くのファンが希望した。しかし、条件面などで折り合いがつかず、2013年限りで退団となった。
2014年オフに楽天へやってきたゼラス・ウィーラー。
2015年の開幕戦で初本塁打を放ち幸先のよいスタートを切ったものの、そこから調子が上がらず登録抹消。以降も登録と抹消を繰り返しながら8月半ばまで打率1割台と低迷した。
1年契約ということもあり、2015年シーズン限りで自由契約となることが予想されたが、夏場から調子を上げ、ヒットを量産。9月は22試合で打率.310、7本塁打、18打点。10月は6試合で打率.435、1本塁打、9打点と絵に描いたような尻上がりの活躍を見せる。
最終的には91試合に出場し打率.255、14本塁打、50打点の成績を残し見事に翌シーズンの契約をゲット。2016年は打率.265、27本塁打、88打点を挙げ、無事残留を果たした
持ち前の明るさでチームメート、ファンからの人気も高いウィーラーだが、来日当初はスランプに苦しんでいたのだ。今シーズンは打率.187、本塁打ゼロとまだ調子が上がっていないが、2015年のようにV字回復をして、楽天の強力打線に厚みを加えたい。
外国人選手の場合、開幕からスランプに陥ると見限られてしまうことも多いがレアード、モーガン、ウィーラーと復調した3選手は皆、陽気な性格だ。スランプ脱出には、メンタル面が一番大事なのかもしれない。
(成績は4月23日現在)
文=勝田 聡(かつた さとし)