新監督に高橋由伸を据え、2年ぶりのリーグ優勝を目指した巨人だったが、今年は広島に大差を付けられる始末。現在の民主党党首に「2位じゃダメなんですか?」と言われそうだが、球界の盟主は2位じゃダメなんです。
まず投手陣から振り返ると、エース・菅野智之は最後の登板で防御率2.01にしてしまったが、それまではずっと防御率1点台を保っていた。だがしかし、尻すぼみもあり、数字ほどのインパクトはなかった。
チーム防御率は昨季の1位(2.78)からリーグ3位(3.45)に大きく後退した。
打線は坂本勇人が首位打者を獲るなど奮起。長野久義、村田修一ら中堅・ベテラン勢も一時の不振から脱するなど明るいニュースも。しかしニューカマーの台頭は見られずじまい。期待の若手は多いだけに、寂しい限りだった。
チーム全体に停滞感が蔓延しているように見える巨人。そんな重い雰囲気を打破するためにも、今年は盟主らしい攻めのドラフトを展開してもらいたい。
かつては高校生・大学生を問わずスター選手を指名しており、高橋監督自身もその1人なのだから、スターの重要性はわかるはず。ぜひともファンをうならせる指名を見せてほしい。
今年のドラフトで「さすが巨人」と思わせるなら、今井達也(作新学院高=写真)が筆頭株だろう。実力もさることながら、甲子園での活躍はスター性を「もってる」ことの何よりの証拠。
もちろん田中正義(創価大)も双璧だが、松井秀喜から流れる「甲子園ブランド」を継ぐ意味でも、今井に照準を合わせてほしい。
文=森田真悟(もりた・しんご)