オリックスの西勇輝が、6月29日の楽天戦に先発し、7回1失点と好投。チームの連敗を6で止めるとともに、自身も4月24日以来の3勝目を挙げた。
金子千尋(右肩痛で登録抹消中)とともに、オリックスの投手陣に大黒柱ともいえる存在の西だが、開幕から3戦連続で6失点以上と、火だるまの3連敗。その後の4月17日、24日は好投し2連勝するも、そこから5月の5試合、6月の3試合と、勝ちがつかない試合が続いていた。
ただ、このところの西は、開幕直後のように打たれまくっていたわけではない。5月31日に先発して以降、ここ1カ月の登板では、いわゆるクオリティー・スタート(QS/先発投手が6回以上を投げて自責点3以内)率は80%で、唯一QSを逃した6月14日の阪神戦でも5回1失点、とまずまずの内容。好投が報われない試合が続いていたのだ。
この日も、セカンドの西野真弘、ショートの安達了一と、本来は動きのいい二遊間が立て続けに失策を犯してしまうなど、味方の守備に足を引っ張られながらも、7回まで粘りの投球。5回にオコエ瑠偉に打たれた犠飛による1点のみに抑えた。
ヒーローインタビューでは「今日は福良(淳一)監督の誕生日だったので、なんとかウイニングボールを渡したかった」と、チーム愛を強調し、トレードマークのスマイルも見せた。
6月も6勝15敗と負け越し、厳しい戦いが続いているオリックスだが、西の復調はひとつ明るい材料ではある。まだシーズンは道半ばだ。この2連戦は、パ・リーグでは54年ぶりとなる沖縄でのゲーム。そんな場にも、スタンドには声援を送り続けるファンがいた。猛牛党の熱視線に応えるためにも、浮上のきっかけを探っていきたいところだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)