【ドラフト1位】
高橋純平(投手/県岐阜商高/右投右打)=写真
《2軍》6試合:2勝1敗/防御率2.70/投球回23.1/奪三振17/与四球18/与死球0
素材型ルーキーとしてソフトバンク、日本ハム、中日による3球団競合1位指名の末にソフトバンク入りした高橋だが、今シーズンの1軍登板はまだない。ただ、この育成スケジュールはソフトバンクの予定通りだろう。
高橋は、5月28日に果たした実戦デビューでボークを本塁打されるなど紆余曲折ありながらも、好投を続けている。ただ、記録には反映されていないが、雨天ノーゲームとなった2軍戦で、2回・2失点という結果に終わっていることも付け加えておきたい。
そういえば、高橋のデビュー戦も雨だった。高橋は雨男かもしれない。
【ドラフト2位】
小澤怜史(投手/日大三島高/右投左打)
1、2軍ともに出場なし
岩崎恭子、室伏重信、柴田恭兵ら、野球よりもオリンピック選手や俳優の輩出が多い日大三島高から初めてドラフト指名されたのが小澤怜史だ。“おざわ”ではなく”こざわ”と読む。
現在、小澤は2軍戦での登板もなく体づくりと3軍での実戦登板に励んでいる。3年から4年計画で1軍デビューとなるのだろうか。
【ドラフト3位】
谷川原健太(捕手/豊橋中央高/右投左打)
1、2軍ともに出場なし
【ドラフト4位】
茶谷健太(内野手/帝京三高/右投右打)
《2軍》4試合:打率.000(3打数0安打)0本塁打/0打点/0盗塁/0三振/0四球
【ドラフト5位】
黒瀬健太(内野手/初芝橋本高/右投右打)
《2軍》12試合:打率.162(37打数6安打)2本塁打/4打点/1盗塁/16三振/2四球
【ドラフト6位】
川瀬晃(内野手/大分商高/右投左打)
《2軍》29試合:打率.167(48打数8安打)0本塁打/2打点/1盗塁/12三振/2四球
茶谷、黒瀬、川瀬ともに、2軍では打率2割を超えることが難しいのが現状だ。3軍で経験を積みながら2軍、1軍のステップを踏んでいきたい。谷川原は3軍での打率.149を上げ、2軍デビューを目指したい。
ソフトバンクは育成も含めて毎年多数の選手を獲得する。逆にいうと多数の選手があぶれるということだ。2軍、3軍で我慢して使ってもらえる時間はそう多くない。各選手に早期の結果が求められる。
◎北海道日本ハムファイターズ
【ドラフト1位】
上原健太(投手/明治大/左投左打)
《2軍》18試合:1勝4敗/防御率5.63/投球回46.1/奪三振35/与四球24/与死球1
高山俊(阪神)、坂本誠志郎(阪神)らと明治大で同じ釜の飯を食った上原は、1軍デビューを果たせていない。ドラフト1位とはいえ即戦力というよりは素材型という触れ込みだった上原。アリゾナキャンプでは紅白戦で8安打8失点の強制チェンジという屈辱を味わった。制球難を克服し、来シーズンこそは1軍マウンドでの投球を披露したい。
【ドラフト2位】
加藤貴之(投手/新日鉄住金かずさマジック/左投左打)=写真
28試合:5勝3敗/防御率3.70/投球回80.1/奪三振56/与四球29/与死球2
先発、中継ぎをこなしチームを支えている加藤。オールスター明けからは先発ローテーションの一角として3連勝を記録するなど社会人即戦力の実力を発揮している。吉川光夫がリリーフに回った日本ハムの貴重な先発左腕としてCSへ向けローテーションを守りたい。
【ドラフト3位】
井口和朋(投手/東農大北海道/右投右打)
35試合:0勝1敗/防御率4.15/投球回39/奪三振25/与四球10/与死球2
中継ぎとして活躍を見せている井口。特徴的なフォームから繰り出されるストレートは140キロ前後と決して速くないが、打者からするとタイミングを取りづらい。だが、フライボーラーということもあり被本塁打が多く、「HR/9」(※)の指標もチーム内でずば抜けて悪い。広い札幌ドームを本拠地としているにも関わらず、だ。来シーズンは被本塁打の多さを改善したい。
※9イニングに換算した場合の被本塁打数
【ドラフト4位】
平沼翔太(内野手/敦賀気比高/右投左打)
《2軍》89試合:打率.238(286打数68安打)0本塁打/14打点/3盗塁/44三振/18四球
【ドラフト5位】
田中豊樹(投手/日本文理大/右投右打)
3試合:0勝0敗/防御率0.00/投球回2.2/奪三振2/与四球1/与死球0
【ドラフト6位】
横尾俊建(内野手/慶應義塾大/右投右打)
9試合:打率.143(14打数2安打)0本塁打/0打点/0盗塁/2三振/0四球
【ドラフト7位】
吉田侑樹(投手/東海大/右投右打)
《2軍》22試合:6勝8敗/防御率5.10/投球回97/奪三振70/与四球37/与死球0
【ドラフト8位】
姫野優也(外野手/大阪偕星高/右投両打)
《2軍》61試合:打率.157(178打数28安打)2本塁打/8打点/0盗塁/81三振/4四球
田中、横尾は1軍デビューを果たしているが、大卒ということを考えるとドラフト下位とはいえ少しさみしい結果だ。CSに向けて力になれるよう残り試合に挑みたい。
平沼、姫野の高卒組は2軍で打席を多く与えられている。チームが優勝争いをしていることもあり今シーズンの1軍デビューは難しいが、来シーズンのデビューに期待したい。
吉田は2軍の規定投球回に達しており、来シーズンの活躍が期待される。巨人志望を明らかにしていた菅野智之(現・巨人)を強行指名したドラフトの一件で関係が悪化したのでは? とも噂された東海大からの獲得だけに今後が注目される。
育成を含め多数の選手を獲得するソフトバンクと育成ドラフトを使わず70名の支配下登録選手で勝負する日本ハム。対照的な育成方法を取る両チームが死闘を繰り広げているのがおもしろい。
野球とはやはり奥深いスポーツだなと再認識させられる。
文=勝田 聡(かつた さとし)