6月20日の沖縄、南北海道を皮切りに、甲子園出場を懸けた地方大会が始まった。
今春のセンバツで優勝した敦賀気比、高校生投手No.1の呼び声が高い県岐阜商・高橋純平などにも注目が集まるが、最後の夏に甲子園出場を狙うドラフト候補の逸材選手の活躍も見逃せない。なかでも有望な4人の選手を紹介しよう。
ナイジェリア人の父親と日本人の母親というハーフ。183センチ85キロの恵まれた体格を誇り、身体能力の高い走攻守三拍子揃った外野手。オコエが2年春に、チームはセンバツ出場を果たしたものの、本人はベンチ入りから外れスタンドから見守った。
センバツ後の春季大会でレギュラーに抜擢され、1番打者として試合経験を重ねる。昨夏の東東京3回戦・東京成徳大高戦では本塁打を含む3安打3打点と注目を集めた。昨夏、昨秋、今春といずれも準決勝敗退で、大舞台への進出はまだないものの、圧倒的なプレーぶりで、その存在感は発揮している。打撃以上にダイナミックな走塁、守備など、ともに魅力的な選手だ。
ゆったりとした投球フォームから150キロ近いストレートを投げ込む速球派右腕。昨夏に準々決勝の東海大翔洋戦で最速148キロをマークして、一躍注目を浴びる。新チーム結成後の昨秋は県大会3位に入り東海大会に出場。1回戦の海星戦では13奪三振を挙げた。
打撃でも非凡なセンスを持ち、左打席から鋭い打球を飛ばす。今春はでん部を痛めたため、本来のピッチングができなかった。また、好不調の波が試合によって激しいのが課題。この夏、昨秋に県大会、東海大会でいずれも敗れた静岡に投げ勝ち、初の甲子園出場を果たしたい。
180センチ94キロのがっちりした体から、本塁打を量産する長距離打者。昨秋は練習試合で1試合5本塁打を放つなど着々と本塁打を積み上げ、6月上旬の時点で通算本塁打は90本を超えた。山本大貴(神港学園〜JR西日本)の持つ高校通算本塁打記録の107本にどれだけ迫れるかも見どころの一つだ。
今春は肩の故障で一塁手での出場となったが、夏は本職の捕手での出場となる見込み。最後の夏は和歌山大会で強豪・智辯和歌山を倒し、甲子園で自慢のバッティングを見せられるか?
この春、評価を一気に高めた本格派の投手。スライダー、カットボールといった変化球の精度も高く、プロのスカウトも注目する。1年夏に背番号11で甲子園の土は踏んだものの、登板機会は無かった。今春の練習試合では自己最速の148キロをマーク。春季大会の2回戦・豊府戦では7回参考記録ながらノーヒットノーランを記録した。
6月には東海大相模との練習試合で10三振を奪い、九州No.1投手の存在感を見せた。投げるだけでなく、遊撃手の守備や打撃も評価が高く、投打で高いセンスを持つ。同校からは昨年、エースの笠谷俊介がソフトバンクから4位指名を受け入団した。大分商から2年連続でドラフト指名される可能性が高い。
ドラフト候補の逸材選手がいるといえども、必ずしも甲子園にあがってくるとは限らない高校野球。勝ち上がることを期待しながら、地方大会の結果を追っていきたい。また、見られる機会があれば、ぜひ、球場で躍動する姿を目に焼き付けたい選手たちだ。