■1986年(ブレーブス)
141試合:打率.273(517打数141安打)/27本塁打/87打点
■1987年の成績(ヤクルト)
93試合:打率.327(303打数99安打)/31本塁打/73打点
今と同じような状況で来日したのは赤鬼・ホーナー。当時、メジャーのオーナー会は年俸の高騰を理由にFA選手の締め出しを決行しており、所属球団が決まらないまま春を迎え、ついに4月13日に来日が決定。ヤクルトに入団した。
前年にはブレーブスで4番を張り、1試合4本塁打もマークしたバリバリのメジャーリーガー。5月5日の阪神戦でデビューを果たすと、いきなり2試合で4本塁打をかっ飛ばし、メジャーの貫禄を見せつけると本塁打を量産。腰の故障はあったが、「ホーナー旋風」を巻き起こした。
翌年の契約も決まりかけていたが、メジャーからのオファーがあり、1年限りの在籍に終わった。それでも今もなお、「赤鬼・ホーマー」は日本球界に語り継がれる伝説である。
続いて年俸高騰を背景にした1994年から1995年のメジャーストライキの煽りを受けて来日した選手たちを紹介したい。
■1994年の成績(ツインズ)
81試合:打率.333(303打数101安打)/15本塁打/61打点/OPS.957
■1995年の成績(巨人)
120試合:打率.275(477打数131安打)/20本塁打/52打点/OPS.796
■1996年の成績(巨人)
127試合:打率.293(484打数142安打)/22本塁打/75打点/OPS.842
■1994年の成績(ホワイトソックス)
112試合:打率.319(433打数138安打)/20本塁打/98打点/OPS.916
■1995年の成績(ロッテ)
127試合:打率.306(474打数145安打)/10本塁打/58打点/OPS.820
■1994年の成績(レッズ)
95試合:打率.326(310打数101安打)/30本塁打/77打点/OPS1.110
■1995年の成績(ダイエー)
37試合:打率.300(130打数39安打)/8本塁打/28打点/OPS.920
■1994年の成績(ホワイトソックス)
104試合:打率.312(369打数115安打)/10本塁打/51打点/OPS.817
■1995年の成績(西武)
128試合:打率.289(506打数146安打)/20本塁打/68打点/OPS.812
■1996年の成績(西武)
126試合:打率.266(489打数130安打)/19本塁打/64打点/OPS.748
成績を紹介した4人のほかにもグレン・デービス(阪神)やピート・インカリビア(ロッテ)も来日しているが、前年の実績ではこの4人が抜きん出ている。来日時は1961年生まれと詐称していたフランコを除けば、年齢的にも脂が乗った時期で、日本でも噂に違わぬ活躍を見せた。
ミッチェル(ダイエー)は仮病で逃げ帰ったこともあり悪名高いが、成績だけで見るとやはりメジャーリーガーの地力を見せている。
マック(巨人)やジャクソン(西武)は走攻守に優れたタイプで2年契約を結んだことも生きた。もし今春、大物メジャーリーガーが日本に来るならば、2年目のオプションも大いに考えられる手だ。
日本人選手の契約を望む一方で、密かに大物の来日を心待ちにしているファンも多いはず。今後のメジャーの動きに注目したい。
(※文中にある通り、フランコの来日時の年齢は公称)
文=落合初春(おちあい・もとはる)