季節は秋、高校野球界では各地で秋季大会が開催された。しかし、世間的に高校野球が注目される時期ではない。それでも野球太郎編集部は10月、『野球太郎SPECIAL EDETION 全国高校野球大図鑑2018』を発売した!
今秋はもちろん、2018年の高校野球を最高に満喫するにはこの時期しかない! 「名門から新顔までの強豪校を完全網羅。全国49地区の勢力図がまるわかり」のこの本の目玉の1つは「直近20年」にブーストをかけて反映させた「高校野球全国有力校ランキング」である。
甲子園での勝利数や勝率、都道府県別の甲子園出場回数のランキングはよく見かけるが、今回、野球太郎編集部は「現在の力」をポイント化すべく途方もないデータ収集に明け暮れた。
甲子園での実績はもちろん、地方大会での成績、プロ輩出数、そして進学先・就職先で硬式野球部に入部した選手数すらもポイント化し、直近20年に重きを置いた「現在の力」でランキングを作成した……!
膨大なデータ量もさることながら、最新の「2018」を謳うからには2017年度のひとつの終点である「2017夏」を加えたかったというのも、ドラフトの時期にあたる秋に高校野球本を出した要因だろう。
国立大の合格発表後に週刊誌が「名門大学合格者数ランキング」を出すように、高校野球の総合力を出すには夏の区切りがついた「今」が最適だ。
くわしいポイント配分は誌面で確認していただきたいが、さっそくランキングトップ20を紹介しよう。
『全国高校野球大図鑑2018』「全国有力校ランキング」でトップ20にランクインした高校は以下の通りだ。
1位:PL学園(大阪)/935P
2位:横浜(神奈川)/923P
3位:中京大中京(愛知)/794P
4位:龍谷大平安(京都)/761P
5位:明徳義塾(高知)732P
6位:広陵(広島)/713P
7位:仙台育英(宮城)/682P
8位:大阪桐蔭(大阪)/668P
9位:日大三(西東京)/644P
10位:早稲田実(東東京)/611P
11位:天理(奈良)/606P
12位:東北(宮城)/587P
13位:報徳学園(兵庫)/582P
14位:熊本工(熊本)/571P
15位:帝京(東東京)/568P
16位:浦和学院(埼玉)/553P
17位:東邦(愛知)/544P
18位:智辯和歌山(和歌山)/535P
19位:愛工大名電(愛知)/523P
20位:県岐阜商(岐阜)/508P
燦然とトップに輝いたのは昨夏を最後に休部したPL学園。甲子園実績はもちろん、これまでの高いプロ輩出力で全国トップの座をキープすることになった。ポイントは「育成は勝利に等しい」という野球太郎的な概念から、プロ輩出に重きを置いている。
『全国高校野球大図鑑2018』では、全国という括りでトップ100を掲載しているが、野球太郎的な最大の見せ場は49地区別ランキングだ。
「○○県のトップ10は?」と高校野球マニアに問うと、特に下位を中心に侃々諤々の議論になりそうだが、ポイント化することによって、あえてはっきりとランキングを掲載している。
たとえば、激戦区大阪のトップ10の顔ぶれはこれだ。
1位:PL学園/935P
2位:大阪桐蔭/668P
3位:関大北陽/334P
4位:大体大浪商/328P
5位:上宮/320P
6位:履正社/293P
7位:近大付/236P
8位:阪南大高/151P
9位:金光大阪/103P
9位:市岡/103P
現在の大阪は大阪桐蔭と履正社が争う二強の様相だが、関大北陽、大体大浪商、上宮は1997年以前の甲子園実績、プロ輩出ポイントで上位をキープ。履正社は直近20年の地方大会ポイントでは大阪桐蔭に次ぐ2位だが、甲子園実績がやや足りず、6位に留まっている。
このように全地区をランキング化した『全国高校野球大図鑑2018』。あなたの注目地区のランキングを、ぜひ本誌でチェックしていただきたい!
文=落合初春(おちあい・もとはる)