高卒ルーキーでただひとり開幕1軍入りを果たしたオコエは、Koboスタ宮城で行われたソフトバンクとの開幕戦で代走デビュー。翌日にはプロ初盗塁を記録した。
開幕2軍スタートの平沢はイースタン・リーグで結果を残し、5月に1軍昇格。ヤフオクドームでのソフトバンク戦で初出場。初打席は東浜巨と対戦し、三振に終わった。
小笠原の1軍デビューは交流戦の開幕戦。ソフトバンク戦でプロ初登板を初先発で飾り、5回を投げて1失点。被安打はわずかに1本という好投を見せた。勝利投手の権利をもって降板したが、中継ぎが打たれ逆転。初登板初勝利を果たすことはできなかった。
3選手の共通点。それはいずれもソフトバンク戦がプロデビューだったのだ。
残るひとりの高卒ドラ1ルーキーは、3人がデビュー戦で対戦したソフトバンクの高橋純平。
超高校級投手として3球団から1位指名された高橋は、工藤公康監督が交渉権を引き当て、ソフトバンクに入団。しかし、1月の新人合同自主トレで左脛を痛めて、キャンプはリハビリ組に。オコエ、平沢らがオープン戦で活躍するなか、大きく出遅れてしまう。
ドライチ4人のなかで唯一、1軍デビューを果たしていないが「即戦力」ではなく「将来性」を期待されての入団。高橋もチームも焦ることはなく順調に調整を続け、5月28日の広島戦で2軍デビューを果たした。
6月7日にはヤフオクドームで行われた親子試合に登板。2軍とはいえプロ初勝利。7月18日現在、4試合に登板して2勝0敗、防御率2.57とまずまずの結果を残している。
7月14日、高橋はフレッシュオールスターゲームでウエスタン・リーグの先発投手として登板。
オコエには二塁打を打たれるも後続を抑え、1回を無失点。この日の球数は16球、最高球速は154キロをマークした。4番の岡本和真(巨人)を三振に切って取ったのは、150キロのストレートだった。
夏以降も2軍の先発ローテーションで投げることが予想される高橋純平。
だが、早ければ秋には1軍でその雄姿が見られるかもしれない。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理店を運営する46歳。ライター、イベントなどでスポーツ関連の仕事を精力的にこなす。小6の息子がこの夏、NPB12球団ジュニアトーナメントのセレクションに参加予定。受かるとは到底思えないが、札幌ドームのフィールドで良い経験を積んで欲しいと切に思う一児の父。