1人目は平成2(1990)年生まれの金子侑司。
入団して4年目の金子は、今季、打撃が好調。入団時から評判だった俊足を発揮するシーンが増え、目下、オリックスの糸井嘉男と盗塁王争いをしている。
ここまで121試合で47盗塁を積み上げているので、残り試合も同じペースで盗塁すると考えると、今季は最終的に51か52個になりそうだ。
糸井をまくって今季の盗塁王……というのは難しそうだが、50盗塁の選手が現れること自体パ・リーグでは4年ぶりなので、達成したら、盗塁王は逃しても大いに胸を張っていい。
そして気になる来季の妄想盗塁数だが、今季のこれまでと同じペース(2.57試合で1盗塁)で走ると計算すると……「55個」!
大幅には増えなかったが、西武が生んだ歴代屈指の盗塁王・松井稼頭央(現・楽天)のシーズン最多盗塁が62個、片岡治大(現・巨人)が59個だったことを考えるとなかなかの数字ではないだろうか。
来季はぜひともこの数字を目標に、バンバン盗塁を決めてもらいたい。
続いては平成3(1991)年生まれの山川穂高。
176センチ100キロという体型から、中村剛也にちなんで入団時に「おかわり君2世」の愛称を与えられた山川が、3年目でついに覚醒した。
39試合で12本塁打。今季放った25安打の約半数がホームランという暴れっぷりを見せ、日本ハムのレアードや同僚のメヒアをゆうにしのぐ長打率.644を記録している。
これは妄想のしがいがある。
ということで、今季のこれまでと同じペース(3.25試合で1本)で来季のスタートからホームランを打ち続けると仮定し、計算してみると……、最終的には「44本」!
“本家おかわり君”の中村が初めてホームラン王を獲得した時は46本塁打だったで、2本足りない。しかし中村は、その前年が7本塁打。そう考えると、山川の大化けにも期待したくなる。
選手はデータではなく生身の人間。対戦相手もあってのことなので、“今季がよくて来季もいい”ということは、起こり得ないかもしれない。
しかし、こうして成績の妄想予測するのも時には楽しいもの。それに妄想して期待するからこそ、球場やテレビの前で選手を応援したくなるのだとも思う。
ちなみに中村の“7本→46本塁打”法則をそっくりそのまま山川にあてはめると、来季は75本以上打つ計算になるわけだが、果たして……。
文=森田真悟(もりた・しんご)