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高校野球・地方大会の注目選手レポート[東北編]〜平沢大河(仙台育英)、高橋樹也(花巻東)ほか

平沢大河 ひらさわ・たいが
仙台育英3年/遊撃手
右投左打・176cm73kg


迷いのないフルスイング


 6月上旬の東北大会初戦で死球を受け、右足小指を骨折。約1カ月、治療に専念した。復帰戦となった7月4日の練習試合で本塁打を放ったものの、治療期間に前から来るボールを捉える感覚が鈍ったことで、ミート率は下がっていた。

 宮城大会は痛みを抱えながらも全6試合にフル出場。17打数3安打で打率.176。本来の打撃ができず、ヒットは少なかったが、犠牲フライを放つなど、チームトップタイの8打点を叩き出し、チームバッティングで貢献した。決勝戦では左中間に三塁打を放ったが、その前にライトに特大ファウルを放ち、引っ張りが強かった中、逆方向へのいい打球だった。

 7月21日に甲子園出場が決まり、その後の十分な練習期間を考えると、甲子園では本来のフルスイングを見せてくれるだろう。守備も試合を重ねるごとに動ける範囲が広がった。走攻守で楽しませてくれる平沢。全国舞台で多くの人の記憶に残るプレーを見せてほしい。

高橋樹也 たかはし・みきや
花巻東3年/投手
左投左打・176cm75kg


体力と精神のスタミナ


 岩手大会決勝は、3時間36分の死闘だった。花巻東は延長13回、9−8で一関学院に競り勝った。この試合で完投したのが高橋。被安打16、9四死球で最後の2イニング以外は全て走者を背負った。ストレートのスピードは出ず、スライダーも決まらない……。

 3回には高めに浮いたスライダーをレフトスタンドに運ばれ、同点3ランを浴びた。苦しい投球となったが、この本塁打からストレートのスピードが増し、失点は重ねたものの、力強い投球になっていった。要所でチェンジアップが決まり、三振を奪えたのは大きい。最速146キロ左腕として、スピードとスライダーのキレで勝負するタイプと思っていたが、チェンジアップの精度も高くなり、幅が広がった印象を受ける。

 昨秋の東北大会では途中から登板し、延長を投げ抜いており、今回も延長13回を1人で投げぬいた。秋から変わらず、体力と精神、両面でのスタミナがあることは大きな長所だ。菊池雄星(西武)に憧れる地元・花巻市出身のサウスポーが甲子園でどんな投球を見せてくれるだろうか。

☆その他の評価上昇選手☆

佐藤世那 さとう・せな
仙台育英3年/投手
右投右打・180cm76kg
◎準決勝と決勝では別人の投球を披露。気の持ち方次第

郡司裕也 ぐんじ・ゆうや
仙台育英3年/捕手
右投右打・180cm80kg
◎派手さはないが、気づいた時には打点を挙げている

青木玲磨 あおき・れいま
仙台育英3年/中堅手
右投右打・176cm77kg
◎宮城大会17打数10安打8打点の恐怖の2番打者

佐藤僚亮 さとう・りょうすけ
山形中央3年/投手
左投左打・170cm79kg
◎制球、スピードに苦しみながらも高い経験値で4強入り

青木陸 あおき・りく
山形中央3年/捕手
右投右打・180cm84kg
◎高校通算46本塁打のアーチスト。パワーは抜けている

佐藤唯斗 さとう・ゆいと
花巻東3年/一塁手
右投右打・190cm80kg
◎決勝は7打数5安打。7番はもったいないスラッガー

小又怜 おまた・れん
一関学院3年/左翼手
右投右打・175cm73kg
◎決勝では左翼に同点3ラン。ヒットゾーンが広い


■ライター・プロフィール
高橋昌江(たかはし・まさえ)/1987年生まれ、宮城県出身。東北地方の少年野球からプロ野球に至るまで、幅広く取材活動する女性スポーツライター。近年では当時、東北福祉大軟式野球部に所属していた川島祐輝(BCリーグ群馬)をいち早く発掘するなど「隠し玉」への嗅覚はピカイチだ。

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