しかし、歴史的偉業を達成したにもかかわらず、あとは粛々とヒットを重ねていくだけ、というのもさみしい話。そこで、この先、新井がどれだけ打てば通算安打ランキングが何位ぐらいまで上昇するのかを、先取りしてチェックしてみたい。
2000本安打達成時に「史上47人目」と報じられたように、達成時点では歴代47位。そこから10本刻みで見ていくと、歴代の順位はこのように上昇していく。
2010本/今季39本目…歴代46位
現46位は2006本の駒田徳広(元巨人ほか)
2020本/今季49本目…歴代42位タイ
現42位は2020本の野村謙二郎(元広島)
2030本/今季59本目…歴代42位
上と同じ
2040本/今季69本目…歴代41位
現41位は2038本の新井宏昌(元南海ほか)
2050本/今季79本目…歴代38位タイ
現38位は2050本の和田一浩(元西武ほか)
2060本/今季89本目…歴代35位
現35位は2057本の有藤道世(元ロッテ)と江藤慎一(元中日ほか)
2070本/今季99本目…歴代33位
現33位は2064本の藤田平(元阪神)
2080本/今季109本目…歴代33位
上と同じ
2090本/今季119本目…歴代32位
現32位は2081本の山崎裕之(元ロッテほか)
2100本/今季129本目…歴代30位
現30位は2097本の古田敦也(元ヤクルト)
※安打本数はNPBのみ。なお、4月27日までに2044安打(歴代39位)を記録している松井稼頭央(楽天)は、便宜上、そこで固定して順位を算出。
昨年度が年間117安打なので、とりあえず今季129安打(=通算2100安打)ぐらいは十分射程範囲とみて、キリのいいところまで出してみた。そこまで伸ばせるなら、上記のように、現30位の古田敦也を抜いて歴代ベスト30にランクインすることになる(松井稼頭央の動向次第ではあるが)。
なお、ベスト20入りは、現20位の若松勉が2173本なので、昨年並みのペースで打てれば、来季には到達の可能性がある。ただ、その先は歴代15位が2314本の榎本喜八、歴代10位が2452本の土井正博となっており、現在39歳の新井は年齢との戦いになってくるだろう。
ちなみに、「天敵」でもある阪神の金本知憲監督は2539本で歴代7位。この記録に並ぶようなら、金本監督も新井を邪険には扱えなくなるのではないだろうか。
通算安打数は1本ずつ積み重ねるのみで、減ることはない。円熟味を増した新井のバッティングに今後も期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)