もっとも目立ったのが、大魔神こと佐々木主浩氏がオーナーをつとめるシュヴァルグラン(牡4歳)だ。
5月1日に京都競馬場で行われた第153回天皇賞・春では、中団からしぶとく脚を伸ばして3着。前哨戦の阪神大賞典を勝ち、初挑戦のGTで好走と、まさに前途洋々。父がハーツクライで、姉には同じく大魔神の持ち馬でGTを2勝しているヴィルシーナがおり、血統的にも奥が深い。まだまだ出世が見込める1頭であることは間違いない。
「大魔神軍団」には、他にも短距離で2連勝してオープンクラスまで上がってきたヴェルステルキング(牡4歳)や、故障で休養が1年以上に及んでいるが4勝を挙げているヴォルシェーブ(牡5歳)など、楽しみな馬たちも控えている。
一方、プロ野球界の選手やコーチらの「現場組」では、DeNAの番長・三浦大輔、日本ハムの投手コーチ・吉井理人が馬主として奮闘中だ。
番長の所有馬は、自身の代名詞でもある「リーゼント」が馬名につけられていることでもおなじみ。3勝2着7回と活躍したリーゼントブルースが昨年末で引退。
残るは現役馬は、リーゼントロック(牡5歳・14戦3勝)とリーゼントフォルテ(牝3歳・6戦未勝利)のみ。リーゼントロックは、4月30日の京都競馬場での条件クラスに出走し11着だったが、これはスタートでの大出遅れという明確な敗因があった。次走以降、巻き返してくるはず。
球界最年長投手となった番長は、今季、まだ1軍での登板がなく、ファームでの調整が続いている。本業では、ここからが踏ん張りどころといえる。
そして、今年の1月23日に愛馬フォーシーム(牝3歳)がデビューを果たして話題となった吉井コーチ。初戦は12着で、そこからじっくり調整されて5月1日の東京競馬場での未勝利戦に挑むも、14着と上位入線はならず……。
5月2日に更新された吉井コーチのブログでは、以下のように愛馬の走りを振り返っている。
「スタート直後、他馬と接触したことで、馬が勝手に前に行ってしまったらしいです。それでも、直線、一瞬、先頭にたち、見せ場を作ってくれました。」
フォーシームは、GTを4勝したメイショウサムソンの妹という血統馬。2走目のレースぶりには、最後は失速したものの進境を見せた。まずは掲示板内(5着以内)を目指していきたいところだ。
また、同コーチの3月1日にエントリーされたブログでは、2歳牝馬の写真も公開されている。「そろそろ、名前考えなくちゃ!」と綴られていることから、順調にトレーニングをこなしているのだろう。こちらも続報を待ちたい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)