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《アマチュア野球の歩き方・前編》清宮幸太郎を超える怪物に会える!? 超使える観戦ガイド!

5月から各地でアマチュアの大会が開催される

 4月になり、アマチュア野球も各カテゴリーで公式戦が開幕した。ここから秋のドラフト会議まで多くの大会が開催されていく。

 週刊野球太郎では本誌『野球太郎』の人気特集「アマチュア野球の歩き方」と連動した企画『清宮幸太郎を超える怪物に会える!? 超使える観戦ガイド アマチュア野球の歩き方!』を2回に渡って連載。

 「高校」「大学」「社会人」ごとに、5月から11月までの大会を紹介しつつ、そこに出場が見込まれる注目のドラフト候補をピックアップしていく。

 前編は5月から7月にかけて行われる大会をみていきた。アマチュア野球観戦、ドラフト候補チェックにうってつけの観戦ガイドとしてほしい。

(※注目の選手は出場予定)

5月の大会と注目選手


■高校野球
 各地区で春季大会が行われる。夏に向けた試金石となる大会だ。また一冬を越えて、急成長を果たした選手が必ず現れるので、様々な視点で楽しめる。

 センバツ出場を逃したチームや選手の巻き返しも見どころだ。昨年は島孝明(東海大市原望洋→ロッテ)がこの時期に頭角を現し、ドラフトで指名を勝ち取った。

 筆者としては、関東大会連覇を狙う前橋育英に注目。センバツから新エースとなった丸山和郁の投打に渡るパフォーマンスが楽しみだ。

注目の選手:丸山和郁(前橋育英)、増田珠(横浜)、西川愛也(花咲徳栄)など

■大学野球
 春季リーグ真っ只中の5月。日本全国で大学生の溌剌としたプレーが見られる。ドラフト視点でいえば、大学生選手への大筋の評価はこの季節に下されることが多い。春のパフォーマンスが指名の有無に直結するといってもいい。

 筆者の注目は、昨年は不完全燃焼だった高橋遥人(亜細亜大)が復調するかどうか。

 また、野球観戦を楽しむという意味では、神宮球場で東京六大学リーグ(土・日)や東都リーグ(平日)を昼に観戦し、プロ野球(ヤクルト戦)のナイターをハシゴ観戦という贅沢な一日を過ごし方もオススメだ。

注目の選手:高橋遥人(亜細亜大)、宮台康平(東京大)、熊谷拓也(法政大)など

■社会人野球
 都市対抗予選が開幕する。どの地区もチームの力が拮抗。一発勝負のトーナメント戦のため、非常にスリリングな試合を堪能できる。予選の開幕前には予選地区が重ならないチーム同士によるオープン戦が多く組まれているので、ここから観戦するのもオススメだ。
 予選では、昨年は惜しくも本戦出場を逃したJX-ENEOSの谷田成吾のバットに注目。本戦出場をつかみ、スカウトたちに猛アピールできるか。
注目の選手:谷田成吾(JX-ENEOS)、永野将司(Honda)、諸富将士(JR九州)など

6月の大会と注目選手


■高校野球
 6月は春の大会が終わり、夏の本番に向けた最終調整の時期。例年、連盟や自治体が主催する招待試合が行われ、全国屈指の強豪校がそこに集う。甲子園さらながらの強豪同士の対戦カードが組まれるので、ぜひチェックを。

 今年は何と言っても清宮幸太郎が主将を務める早稲田実が目玉。日本全国の各球場で快音を響かせる清宮が見られるだろう。現在、高校通算本塁打は91本。歴代1位の107通算本塁打を更新できるか。

注目の選手:清宮幸太郎(早稲田実)、石川翔(青藍泰斗)、森圭名(富山第一)など

■大学野球
 春の大学日本一を決める全日本大学野球選手権が行われる。各リーグの代表校が神宮球場、東京ドームに集結してしのぎを削る。

 昨年は吉川尚輝(巨人)が中京学院大を日本一に導く大活躍で、ドラフト1位を勝ち取った。全国各地に才能が散らばる時代となったことを強く印象づけた。

 今年は、昨年の準決勝で悔しい逆転負けを喫した奈良学園大の動向が気になる。大学屈指の内野手・宮本丈がリベンジに燃えているはずだ。

注目の選手:宮本丈(奈良学園大)、古川幸拓(白鴎大)、岡田和馬(近畿大)など

■社会人野球
 5月に続き、都市対抗予選が月をまたいで行われる。「敗者復活戦」を採用している地区では、出場枠をめぐり多くの試合をこなすチームも出てくる。となると、短期間での連戦となるため、起用する投手の数がどうしても増えてくる。よりたくさんの投手が見たい方は、予選が山場を迎える6月の観戦がオススメだ。

 筆者の注目は先発・リリーフ両方を器用にこなす鈴木康平(日立製作所)。チームが激戦の北関東ブロックをくぐり抜けるには、鈴木の活躍は欠かせない。

注目の選手:鈴木康平(日立製作所)、獄野雄貴(西濃運輸)、柏原史陽(JX-ENEOS)など


7月の大会と注目選手


■高校野球
 いよいよ夏の甲子園を目指す地方大会が始まる。炎天下のなか、熾烈な争いが繰り広げられる。

 センバツ決勝であいまみえた大阪桐蔭と履正社がいる大阪、早稲田実と日大三が昨秋、今春と東京都大会決勝でぶつかった西東京、東海大相模と横浜を軸に展開される神奈川と、今年は見応えのある大会が多くなりそうだ。

注目の選手:櫻井周斗(日大三)、清宮幸太郎(早稲田実)、山本ダンテ武蔵(大阪桐蔭)、安田尚憲(履正社)など

■大学野球
 春の公式戦が終わり、夏は侍ジャパン大学代表の活動が本格化する。この月に予定されているのは日米大学野球選手権だ。今年は米国開催のため、観戦は難しいが、渡米直前に平塚で強化合宿が行われるので、足を運んでみてはいかがだろうか。

 強化合宿は、多数のドラフト候補のプレーを一気に見られる貴重な機会。公式戦とは違う一面も堪能できるかもしれない。代表に選出が予想される選手のなかで必見なのは大学屈指の韋駄天・島田海吏(上武大)。そのスピードはプロでもすぐに通用するだろう。

注目の選手:島田海吏(上武大)、東克樹(立命館大)、阪本大樹(関西大)など

■社会人
 いよいよ都市対抗の本戦が始まる。惜しくも本戦出場を逃したチームから選ばれる補強選手も含めて、社会人のトップが集結する大会だ。舞台は東京ドーム。準決勝、決勝などの山場の試合もいいが、1日に3試合も観戦できる1回戦から足を運ぶのもいいだろう。

 昨年は山岡泰輔(東京ガス→オリックス)や源田壮亮(トヨタ自動車→西武)が出場。今年も即戦力のドラフト候補が多く見られるはず。

 注目は、昨年の都市対抗初戦の王子戦で9回を無失点に抑えながら、延長でサヨナラ被弾を浴びた田嶋大樹(JR東日本)。アマチュアNo.1左腕に上り詰めた田嶋が予選を勝ち抜き、都市対抗で大活躍。晴れてドラフト1位指名を勝ち取れるか。

注目の選手:田嶋大樹(JR東日本)、西村天裕(NTT東日本)、藤岡裕大(トヨタ自動車)など

 この3カ月だけでアマチュア野球をこんなに楽しめる。平日、休日とも行われているので、時間が空いたときに球場を訪れてみてはいかがだろうか。まだ見ぬ逸材との思いがけない出会いもあるはずだ。


文=長嶋英昭(ながしま・ひであき)
東京生まれ、千葉在住。小学校からの友人が、サッカーのU-18日本代表に選出されたことがキッカケで高校時代から学生スポーツにのめり込む。スポーツの現場に足を運びながら、日本各地の観光地を訪れることが最大の生きがい。現在はアマチュアカテゴリーを中心にスポーツ報道の仕事に携わっている。

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