新加入外国人選手:なし
日本シリーズでMVP級の活躍を見せたバースがメジャー復帰を志願して退団したものの、メンドーサ、マーティン、レアードが残留した日本ハム。今のところは新外国人獲得の情報はなし。本格的な動きは年が明けてからになりそうだ。
■カイル・ジェンセン(内野手・28歳・左投右打)
【MLB】17試合:打率.194(31打数6安打)/2本塁打/7打点/0盗塁/OPS.716
【3A】133試合:打率.289(498打数144安打)/30本塁打/120打点/1盗塁/OPS.896
V奪還を目指すソフトバンクはまずジェンセンを補強。珍しい左投右打でメインは一塁手だが、外野の経験も豊富だ。2016年は3Aで30本塁打を放ち、マイナー通算178本塁打の大砲だ。
これだけの実績を残しているのだがメジャーデビューは2016年。実はかなり三振が多いタイプで、粗さがメジャー昇格の妨げとなっていた。大型扇風機になるか、大化けするか、両極端の結果が予想される。ロッテから獲得濃厚といわれるデスパイネとのレースになりそうだ。
■マット・ダフィー(内野手・27歳・右投右打)
【MLB】3試合:打率.000(3打数0安打)/0本塁打/0打点/0盗塁OPS.000
【3A】109試合:打率.229(401打数92安打)/14本塁打/52打点/0盗塁/OPS.684
2016年はFAで流出した今江敏晃の穴を完全に埋めることができなかったロッテ。新たな三塁候補として、ダフィーを獲得した。
2015年にMLB新人王投票2位だったマット・ダフィー(レイズ)とは同姓同名の別人。MLB通のファンはさっそく「マット・ダフィーじゃない方のマット・ダフィー」と毒を吐いているようだ。
確かに3A成績は近年来日した選手たちと比べて物足りない気もするが、大爆発して日本では「じゃない方じゃない」マット・ダフィーになってほしい。
■フランク・ガルセス(投手・26歳・左投左打)
【3A】37試合:6勝8敗/1セーブ/投球回114.1/防御率4.41/ 98奪三振/ WHIP1.50
■ブライアン・シュリッター(投手・31歳・右投右打)
【3A】36試合:1勝2敗/8セーブ/投球回42/防御率3.64 /43奪三振/WHIP1.50
■アレクシス・キャンデラリオ(投手・34歳・右投右打)
【3A】7試合:3勝1敗/投球回44.2/防御率2.62/35奪三振/WHIP1.16
このところ、自前で発掘した助っ人投手に当たりがない西武。今年も大幅な入れ替えを余儀なくされた。しかし、現時点ではかなり眉唾モノ……。
ガルセスは2015年にメジャーで40登板、シュリッターは2014年に61登板を果たしているが、両者ともにメジャーで生き残れず“都落ち”の状態。さらにキャンデラリオは世界各国のリーグを渡り歩き、2016年はイタリア、米独立、3Aでプレー。球団も「ミステリアス」と認める謎の選手だ。
Jリーグのチームが窮するあまり、よくわからないブラジル人を3人獲得する「ブラジル人ガチャ」に似ている気もしなくもない。
■フランク・ハーマン(投手・32歳・右投左打)
【MLB】14試合:1勝2敗/投球回15/防御率8.40/14奪三振/WHIP1.67
【3A】 27試合:6勝1敗/投球回31.1/防御率1.72/31奪三振/WHIP0.96
既存の助っ人勢の多くが残留を決めたことから、助っ人の大補強には踏み切らず、現時点での獲得発表はハーマンのみ。
ハーバード大出身のインテリ右腕だが、投球スタイルは剛腕型。150キロを超えるストレートで三振を奪うタイプだ。2010年から2012年はメジャーの舞台に立っていたが、2013年にトミー・ジョン手術に踏み切り、その後は3Aが中心。2016年には復調し、久々のメジャー登板を果たしたところだ。
ヒジの状態などに不安は残るが、3AでのWHIPは飛び抜けて優秀。日本で一花咲かせたい。
■マット・ウエスト(28歳・投手・右投右打)
【3A】39試合:3勝0敗/6セーブ/投球回46.1/防御率2.33/38奪三振/WHIP0.93
■ゴンザレス・ヘルメン(29歳・投手・右投右打)
【MLB】40試合:2勝1敗1セーブ/投球回40.2/防御率5.31/32奪三振/WHIP1.62
【3A】11試合:1勝0敗3セーブ/投球回13.2 /防御率0.66/16奪三振/WHIP1.17
■フィル・コーク(34歳・投手・左投左打=写真)
【MLB】6試合:0勝0敗/投球回10/防御率3.60/4奪三振/WHIP1.70
【3A】20試合:5勝3敗/投球回70/防御率2.96/61奪三振/WHIP1.27
■ステフェン・ロメロ(28歳・外野手・右投右打)
【MLB】9試合:打率.235(17打数4安打)/0本塁打/3打点/0盗塁/OPS.557
【3A】106試合:打率.304(418打数127安打)/21本塁打/85打点/1盗塁/OPS.902
■ダリル・ジョージ(23歳・内野手・右投右打・育成)
【BCリーグ】63試合:打率.329(228打数75安打)/9本塁打/57打点/18盗塁/OPS.987
2016年は最下位に終わり、助っ人に助けられるどころか足を引っ張られたオリックスも大改造に着手。投手陣はリリーフタイプを3枚獲得。コークはメジャー通算407登板の実績を誇り、ウエストとヘルメンもストレートの球威は3Aでは上位。数字だけ見ると同じく投手3枚を補強した西武よりも豪華といえるだろう。
糸井嘉男が抜けた野手陣ではロメロに期待が集まる。マイナー通算100本塁打で「対応力の高い中距離砲」との評判。剛柔自在の能力を発揮できるか。
また、育成で契約したジョージも面白い。オーストラリア出身でまだ23歳の若さだが、BCリーグではもはや敵なし。打撃だけではなく、盗塁数もそこそこ多い万能型。入団テストを兼ねた秋季キャンプでは、スコアボードの液晶を破壊する150メートル弾を披露。ファンの夢を膨らませるポテンシャルの持ち主だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)