先週に続いてお送りする「呪いのキャンプ事件簿」のコーナー。過去、長い歴史を誇るプロ野球のキャンプ中に起きた怪現象をピックアップして、皆さんにお伝えしていきます。第2回はズバリ、プロ野球選手はもちろん、一般人でも怖い「超常現象」を取り上げます。それではどうぞ!
●キャンプ地にお化け? 恐れをなした外国人ストッパー
今から30年近く遡る、1980年代後半の話。阪急は、広島県福山市にある神勝寺の近くで秋季キャンプを行っていた。宿舎はお寺に囲まれており「幽霊を見た」という選手が続出。夜になると女性の霊が現れ、選手やスタッフを悩ませたという。詳細は定かではないものの、選手の追いかける熱狂的な女性ファンだったのでは? という話もあったという。
この一件で有名なのが、昨年亡くなられたアニマル・レスリー氏の昔話。阪急で抑え投手として活躍した1986(昭和61)年シーズン、秋季キャンプで若い選手から「お化けが出る」といわれると、怖くなって大阪に帰ってしまったという。当時の監督・上田利治氏が、アニマル氏が亡くなった際に打ち明けた話で、マウンド上でみせる豪快なパフォーマンスとは異なる、可愛らしい逸話が残っている。
●UFO発見!? サイン盗みを見破ってAクラス入り
続いては1995(平成7)年の話。新監督にボビー・バレンタイン監督を迎えたロッテは米国アリゾナ州ピオリアで春季キャンプを行った。2月4日の練習中、バレンタイン監督が上空を見上げるとキラリと何かが光った。ボビーに続いてその光る物体を発見した選手たちは次々に声を上げ、練習は一時中断。UFOと思われるその光る物体は、白や銀色に輝きながら飛び、5分ほど静止して消えたという。
スタッフらも含め、グラウンドには100人近くが集まり、騒ぎが大きくなってきたところでボビーがひと言。「あのUFOは(前年度パ・リーグ覇者の)西武が飛ばしたんだ。きっとマリーンズのサインを盗みに来たのさ」と言って、周囲を笑わせた。そのUFO効果? もあって、このシーズンのロッテは快進撃をみせた。10年ぶりのAクラス入りを果たし、貯金10の2位でフィニッシュ。わずか0.5差で、その西武を3位に退けたのだった。
●ウサギの死骸の呪い? ロッテナインを襲った怪奇現象
そのロッテのキャンプにまつわる話では、過去にはこんな「超常現象」もあった。2007(平成19)年2月の春季キャンプは、オーストラリアのジーロングで行っていたロッテ。キャンプが始まって数日後、事件は起きた。グラウンドに子猫ほどの大きさの、ウサギの頭部だけの死骸が転がっていたのだ。
しかも2月6日、7日と連続してその死骸は発見され、ナインは戦々恐々。それまで故障者なしと順調に進んでいたキャンプも、その珍事件から一変。ワトソンが右太もも裏痛で離脱し、福浦和也も自打球で右足を痛め早退。さらに竹原直隆が発熱で欠席、小宮山悟は右ふくらはぎ痛でリタイア…と故障者が続出したのだった。
原因は今でも謎のまま。しかし当時の証言を集めると、犯人は犬やカラスなどの小動物ではないかという説が有力だ。ちなみに欧米ではウサギの“足”は幸運をもたらす魔除けアイテムとして珍重されており、特に左足は、いつも勝負と隣り合わせのギャンブラーたちに人気が高いという。
ウサギの“足”ではなく“頭”の死骸を手にしたロッテのこのシーズンは、首位日本ハムと2ゲーム差の2位。クライマックスシリーズ1stステージではソフトバンクを2勝1敗で退けるも、2ndステージでは日本ハムに2勝3敗と惜しくも敗れた。もし、ウサギの“足”がグラウンドに落ちていたら……。結果は違っていたのだろうか。
その「呪い」といえば……