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今年最も輝いているルーキー&若手は誰だ!? 2015新人王候補(セ・リーグ編)

シーズンも終盤戦。セ・リーグでは阪神、ヤクルト、巨人が少し抜け出したものの、まだまだ混戦模様。CS出場権争い、そしてCSの主導権を握るための戦いが激しくなりそうだ。

そして秋の注目といえば、タイトル争い。こちらも目が離せないが、そろそろ情勢が固まりそうなのは新人王のタイトルだ。

各チームが心血を注いで獲得したルーキー、そして新人王の資格を持つ若手選手の活躍はどうだったのだろうか? まずはセ・リーグから紹介しよう。(成績はすべて、8月末時点のもの)


山崎康晃か高木勇人か。どちらが新人王を手にするか


今年、いきなり躍動したルーキーといえば、高木勇人(巨人)と山崎康晃(DeNA)がセ・リーグの筆頭だ。

高木勇は高校時代から5回ものドラフト漏れを経験したが、昨年25歳にしてようやく夢舞台への切符をつかむと、開幕3戦目でプロ初登板初先発。そこから破竹の5連勝を挙げ、3〜4月の月間MVPに。ルーキーイヤーどころか、ルーキーマンスにセ界で最も輝いた投手となった。

しかし、5月に初黒星を喫すると、7戦勝ちなしのスランプに陥り、成績は徐々に低下。勝負どころで崩れるケースも目立って、当初よりやや評価を落とした。それでも8月末で、8勝8敗、防御率2.80の成績はすごい。得点圏被打率も.187でリーグトップだ。今年で26歳になったオールドルーキーらしい、即戦力の働きを見せている。

その高木勇と新人王争いになるのは、山崎康晃(DeNA)。昨年のドラフトでは、有原航平(日本ハム)の抽選を外したDeNAと阪神が外れ1位で競合し、DeNAが交渉権を獲得。「外れ1位」が示すように、忌憚なくいえば評価が割れる素材だった。

しかし、開幕からチーム事情でクローザーに抜擢されると、極端なインステップから投じるストレートを武器に快投。5月には新人記録となる月間10セーブを挙げ、8月末の時点で32セーブと新人シーズンセーブ記録を更新中だ。

現段階では山崎康が2〜3歩リードしている印象。「小さなハマの大魔神」との異名もついた山崎康に高木勇はどこまで食らいつけるのか。

新人王を逃した方にも連盟特別表彰があってもおかしくないハイレベルな争いだ。

戸根千明、若松駿太が次点。今年は若手投手の豊作年か


山崎康、高木勇に次ぐのは、日本大からドラフト2位で入団した戸根千明(巨人)。173センチ93キロのマメタンク型左腕で大学時代から定評があったマウンド度胸を生かしてリリーフに定着。39試合で防御率2.29の好成績を残している。惜しくも新人王は逃しそうだが明るいキャラクターもあり、今後の球界を担う存在になる可能性を秘めている。

後半戦、勝ち星を伸ばしてきているのは高卒3年目・若松駿太(中日)。8月には先発4連勝を挙げ、7勝3敗、防御率2.54。じわじわと高木勇との差を追い詰めており、最終的なマクリもあり得る。

その他の先発投手では、高卒2年目の砂田毅樹(DeNA)が支配下登録を勝ち取り、10試合で2勝4敗、防御率2.39。同じく高卒2年目の田口麗斗(巨人)も11試合で2勝5敗、防御率2.79。若手の両左腕が飛び出してきた。

残念なのは阪神。ドラフト1位で横山雄哉、2位で石崎剛と新日鉄住金鹿島から2枚獲りを敢行したが、横山は4試合で0勝2敗、防御率6.75。即戦力リリーフになるかと思われた石崎は7試合で防御率8.68とイマイチ。シーズン終盤に起用・躍進はあるのか。

小粒な印象。パッとしなかった野手勢


優秀な投手陣とは対照的にルーキーと若手の野手陣は今ひとつ。コンスタントに出場している有資格者では、亀澤恭平(中日)が頭ひとつ抜けている。ソフトバンク育成で3年を過ごし、育成期間満了で中日に移籍した亀澤は主に2番セカンドで出場。87試合で打率.282を記録しているが、本塁打は0本とパンチ力は欠く小技タイプだ。

広島のドラ1・野間峻祥は出場こそ、103試合だが代打、代走、守備固めなどが多くサブ扱い。倉本寿彦(DeNA)や2年目の関根大気(DeNA)も堅守タイプで新人王には遠く及ばない。

パンチ力では阪神のドラフト3位・江越大賀が、すでに5本のホームランを放っているが打率.189はあまりに粗すぎる。しかし、小粒揃いの若手野手勢の中で異彩を放っているのは事実。面白い存在だ。

全体的に期待外れだったのは中日。亀澤の好発進はあったものの、昨年ドラフトで獲得した即戦力野手が揃って足踏み。かろうじて、ドラフト7位の遠藤一星が41試合で.271、4本14打点を記録しているが、友永翔太、石川駿、井領雅貴などは結果を残せていない。

このあたりの選手は、即戦力とうたわれた社会人出身だけに年齢も高く、現有戦力の尻を叩くための補強が一転、負債になりかねない状況。やや劣勢となったチーム情勢で育成をはじめたいところだ。

(文=落合初春)

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