【2018年夏の甲子園 奈良みどころ】自分の生きる道を見つけた好投手揃う! 一回り成長して上位候補に殴り込む太田
投手編〜"いい"はいても"凄い"は…
好投手はいるものの、春の段階でドラフト戦線に押し出せる投手は、なかなか見つからない。
センバツでも安定した投球を見せた伊原陵人(智辯学園)は、ここ数年の同校のエースの系譜を継ぐ、キレのあるストレートと変化球のコンビネーションで三振が多いタイプ。
ただ、全国や上のレベルでも圧倒できるモノがあるかというと、まだ難しい。
スケールを感じる投手として鷲尾昂哉(登美ケ丘)、柚留木優太(法隆寺国際)の二人の名が挙がる。
鷲尾は投球フォームもボールの回転もきれいで、筋力アップとともに球速も上がっていきそうなタイプ。
ただ、きれい過ぎて"対戦"となった時に怖さがない。
球速でも、変化球の曲がりでも、怖さを与えるボールが投げられれば大きな飛躍につながりそう。
柚留木は140キロ近いストレートが武器で、その威力も十分。
制球に課題がある。
1球ごと、1イニングごとの安定感を養いたい。
安定した投手の代表は赤井秀也(高田商)と坂根佑真(天理)だ。
赤井はタテの変化球の使い方が上手く、制球力もある。
坂根も多彩な変化球を際どいコースに投げられる。
社会人投手のような投球術を見せたと思いきや、忘れた頃にストレートでズバッと見逃し三振を奪う姿は見惚れてしまう。
藤本大夢(生駒)は伸びのあるストレートとスライダーが武器。
打撃もよく、全身に力がみなぎってプレーをしている。
大久保洋輝(橿原学院)も投げてよし、打ってよしの選手だ。
金重直人(橿原学院)と丹羽拓哉(法隆寺国際)の2年生コンビはストレートを主体に押していく投球で頭角を現した。
今夏のみならず、来年に向けても楽しみ。
高校生の平均球速が上がっている中、遅いボールを思い切って投げ込む辻本竣亮(奈良)と三橋航太(奈良北)にも注目したい。
野手編〜順調に伸びる太田椋
太田椋(天理)は一冬を越して、パワーとスピードを伸ばし、紛れもないドラフト上位候補に。
センバツが公式戦デビューとなった藤村健太(智辯学園)は経験不足など関係なく、持ち前の打撃力を発揮した。
今年の智辯学園打線は「最弱」と小坂将商監督に呼ばれていたものの、春季県大会では打線が大爆発。
それを誘発させたのは三田智也と塚本大夢、岡野龍太の3人だ。
三田は三塁も遊撃もソツなくこなし、快打を連発。
1年生とは思えない活躍だった。
塚本が6本、岡野が5本と2人でチーム本塁打15のうち、11本(6試合)を叩き込んだ。
掴んだ打の感覚をこれからも発揮したい。
センバツでダイビングキャッチを連発した左向澪、リーダーシップある主将の小口仁太郎も健在だ。
他にも、池田智哉(奈良)はチャンスに強いパワフルな打者。
北野樹(天理)も半端ないパワーの持ち主。
確実性を上げたい。
背中を叩くようなスイングで強打を放つ角井亮太(生駒)、春は打ち出の小槌状態だった井上幹太(橿原学院)が注目の強打の選手たち。
宮川寛志(奈良大付)、宮崎秀太(天理)は打撃センス、スピードともに光る。
軽々二盗、三盗を決めていく速水伸行を筆頭に高田商には足の速い選手が揃う。
大会展望〜智辯学園が頭2つ以上抜けているが……
春季県大会を圧倒的な強さで秋春連覇した智辯学園が抜けている。
センバツを経験、1年生も入学し、さらに差を広げた印象。
2番手につける天理も高田商も春に大敗しているが、両校ともエースを投げさせなかった。
夏のために打った布石は功を奏するか、それとも横綱相撲で押し切られるか。
昨秋、今春と上位に残った法隆寺国際、橿原学院、奈良、奈良北、生駒、奈良大付、高田、畝傍らの力の差は少ない。
一発勝負で智辯学園の足をすくう高校が出てくるだろうか?
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