海を越え、異国の地で結果を残そうとプレーする助っ人たち。毎年入れ替えが激しい中、今季もセ・リーグ6球団で計15名の新外国人選手がやってきた。今回は注目の6人をピックアップ。キャンプ中の動向も含めたその注目度を、ランキング形式で紹介しよう。
(読売ジャイアンツ・外野手)
メジャー通算911試合出場で、通算122本塁打。今季来日した選手でトップクラスの実績を誇る。
球団も「ジョーンズ」では平凡だからと、ファーストネームの「ギャレット」を登録名に設定。原則ファーストネームを用いる巨人において、異例の措置が取られるほど期待値が高い。
(東京ヤクルトスワローズ・投手)
昨季41セーブのトニー・バーネットが退団したヤクルト。リーグ連覇に向け、新たなクローザーの設定は必須事項だ。その候補のひとりとして、新助っ人のルイス・ペレスが挙がっている。
メジャー通算78試合登板の実績を持ち、昨年のプレミア12・ドミニカ共和国代表に名を連ねた実力者。投球の大半は速球系で、春季キャンプのフリー打撃登板では強烈な変化をするツーシームを披露。「左殺し」に有効な武器となりそうだ。
現状は外国人枠の序列において、4番目もしくは5番目に位置する。1軍に残れるかは微妙な情勢だが、アピールを続けていきたい。
(中日ドラゴンズ・外野手)
森繁和ヘッドコーチがその進退を賭けるほど、期待の大きな主軸候補。黒人の長距離砲で、外野手登録だが想定されるポジションは一塁手。かつてナゴヤドームを沸かせた、タイロン・ウッズやトニ・ブランコの再来と目され、低迷するチームの救世主になれるかもしれない。
(阪神タイガース・投手)
ヤクルトと同様、守護神が抜けた阪神。その穴を埋める最右翼と見られるのが、マルコス・マテオ。150キロ超の速球と縦横2種類のスライダーが武器の剛腕だ。
昨季はパドレスの一員として26試合に登板。奪三振率は11.00をマークし、甲子園でも1イニングをピシャッと締めるシーンを多く見られるかもしれない。
懸念があるとすれば、右打者にはめっぽう強い一方で左打者に弱いこと。昨季の成績をみると、右打者には16回2/3で2与四球なのが、左打者には10回1/3で7与四球と制球を乱す場面が多かった模様。「抑え失敗…ちょっとマテオ!」と見出しが躍らないことを祈る。
(横浜DeNAベイスターズ・内野手)
メジャーでの実績は乏しいが、マイナーでは通算200発を放った長距離砲。DeNAでは「5番・三塁」での起用が想定されている。
パワーは本物のようで、春季キャンプ初日のフリー打撃では44球中7発をマーク。この日は75%の状態だったという。また、11日の紅白戦ではボールの見極めに注力。打者としての本性はまだ掴みきれないが、本当に待球型ならば4番・筒香嘉智の前を打つのもありだ。
好きな食べ物はうどん(ねぎと七味をかける本格派)、節分の時には恵方巻をガブリと既に日本文化へは十分に適応。あとは本業の野球でどこまでいけるか。
(広島東洋カープ・投手)
基本的に外国人選手は「助っ人」として来日するだけに、1年1年が勝負だ。一方で、中長期的な視野で「伸びしろ」を重視するパターンも見られる。広島のブレイディン・ヘーゲンズがその例で、26歳の若さと先発・リリーフを問わない柔軟性を買われてやって来た。
チームは絶対的エース・前田健太がメジャー移籍し、ピッチングスタッフが不足気味。先発陣では黒田博樹、ジョンソン、大瀬良大地に次ぐ存在がおらず、ブルペン陣はこれからという若手が多い。外国人枠の問題はあるが、力をメキメキとつけられればヘーゲンズにもチャンスは訪れるだろう。
文=加賀一輝(かが・いっき)