たくさんの観客が押し寄せ、スタジアムが混雑している理由には「イベントなど球団の集客努力」「チームの好調」「屋根つきか、ドームか」などが挙げられる。
現在、スタジアムの収容人数に対する1試合あたりの平均入場者数を見ると、収容人数の約9割に達する動員力を誇るスタジアムは、「Koboパーク宮城」「横浜スタジアム」「阪神甲子園球場」「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」「ヤフオク!ドーム」の5カ所だ。
特に楽天と広島はチームの調子がよく、球団の集客への取り組みも熱心。これらが相乗効果を生んでいるといえる。ファンのボルテージも高く、スタンドの雰囲気もいいことがリピーターを生んでいるのだろう。
また、「球場エンターテインメント」的なファンサービスでも人気を博し、常に満員に近い状態になっているのがソフトバンクとDeNA。
キャンプから観客を楽しませるエンターテイメントの提供を怠らないソフトバンクはその筆頭だ。
そして近年、ボールパーク構想を打ち立て、目覚ましい集客増を記録したのがDeNA。こういったファンの盛り上がりは選手を活気づけ、DeNAは長い低迷期から脱した。
筆者の実体験的印象では、横浜スタジアムが最も「混雑感」を感じる。それは、座席の狭さも影響しているのだが……。
それでは、今、ゆったりと観戦できるスタジアムはどこだろう。残念ながらチーム状態が悪い球団のホームが挙がってくる。その筆頭がロッテの「ZOZOマリンスタジアム」だ。
ZOZOマリンスタジアムの1試合あたりの平均入場者数は、収容人数の7割を下回っている。熱狂的なファンが多く、応援のボルテージの高さでは12球団指折りのロッテだが、最下位にあえぐ現在のチーム状態では、集客が悪いのも致し方ない……。
また、チーム状態はまずまずで、ゆったりできるスタジアムは西武の「メットライフドーム」だろう。平均入場者は収容人数の7割程度ながら、好ゲームが繰り広げられるので、筆者はゆったりと好ゲームを楽しめる穴場と見ている。
ゆったり観戦できて、ゲームも盛り上がる。それが筆者のような「ゆとり観戦者」には重要なポイントなのだ。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)