ソフトバンクが交流戦に初優勝したのは2008年。通算成績は180勝108敗、勝率.625。7位以下になった年はわずかに2回しかない。
勝率2位のロッテが.556、3位の日本ハムが.552。この数字を見ても、いかにソフトバンクが交流戦巧者なのかがわかるだろう。
交流戦におけるソフトバンクのチーム別成績を見てみよう
■ソフトバンクの対戦チーム別成績
対巨人:32勝18敗
対ヤクルト:30勝18敗2分
対DeNA:34勝15敗1分
対中日:28勝20敗2分
対阪神:25勝22敗3分
1番相性がいいのはDeNA。昨季は山田大樹、和田毅、中田賢一と3先発投手がいずれも勝ち星を挙げ3連勝。2015年は、柳田悠岐が横浜スタジアムの電光掲示板を破壊する、バックスクリーンへの特大ホームランで話題を呼んだ。
また、勝率ではDeNA戦よりも下回るが、筆者がDeNAと劣らぬ相性のよさを感じるのが巨人だ。
交流戦開始以降、ソフトバンクがリーグ優勝した2010年、2011年、2014年、2015年における巨人との対戦成績は13勝2敗。また、2015年からは2年連続して3タテで巨人を撃破している。
逆に0勝4敗と巨人に圧倒された2012年はリーグ3位。3連覇を逃してしまった。リーグ優勝のためには、まず巨人戦で勝ち越すことが必須条件か?
交流戦のMVPは、勝率1位の球団から選出される。もし今季、ソフトバンクが7回目の栄冠を掴むとするならば、MVP候補は誰だろうか?
■過去ソフトバンクから選出されたMVP選手
2008年:川崎宗則
2009年:杉内俊哉
2011年:内川聖一
2013年:長谷川勇也
2015年:柳田悠岐
2016年:城所龍磨
内川聖一と柳田悠岐は同年のパ・リーグMVPにも輝いている。長谷川勇也はリーグトップの198安打を放ち首位打者を獲得した。交流戦MVPの選手が、その勢いに乗ってシーズンを通して活躍するケースが多い(あっ、城所がいた……城所はご愛嬌ということで……)。
筆者が今季の交流戦で最注目しているのは、プロ4年目にしてブレイク中の上林誠知だ。規定打席に到達し打率も3割超え。恐怖の8番打者として、チームの勝利に貢献しまくっている。
DHのないセ・リーグのホームゲームでは7番を打つ可能性が高い。また、日替わりオーダーになっている1番を固定するなら、思い切って上林を起用するのも面白そうだ。
リーグ2位で交流戦に突入した2015年は、12勝6敗で勝率1位。その勢いでリーグ首位に立ち、2位の日本ハムに12ゲーム差をつけて優勝した。
同一リーグでの対戦がない交流戦期間中のリーグ順位は他力本願になってしまう。しかし、V奪回のためには、交流戦でパ・リーグのライバル球団にプレッシャーをかけておきたい。ひとつでも多くの白星を積み重ねてほしい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住の47歳。広告代理店運営、ライター、MC。生まれも育ちも北海道ながらホークスファン歴約40年。ファン投票第1回中間発表で千賀滉大がパ・リーグ先発投手部門1位。ソフトバンクファンからすると意外だが、それだけWBCでの活躍がインパクト大だったのだろう。あと川崎宗則……。選ばれたらいいな。