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伊藤翔ら期待株多し! 独立リーグからプロ入りを勝ち取った男たち! <パ・リーグ編>

伊藤翔ら期待株多し! 独立リーグからプロ入りを勝ち取った男たち! <パ・リーグ編>

 今ドラフトでは、史上最多となる9人(育成含む)が指名された独立リーグ所属選手。前回のセ・リーグ編に続き、今回はパ・リーグ球団に指名された5人の選手を見ていこう。本格派、変則サウスポー、陸上競技経験者、リーグ三冠王など、バラエティに富んだ選手たちが来季以降のプロ球界を賑わせてくれそうだ。

パ・リーグが指名した独立リーグ選手


■渡辺雄大(新潟アルビレックスBC/投手/左投左打)
ソフトバンク育成6位
新潟県出身
1991年9月19日生まれ(26歳)
中越高〜青山学院大〜新潟アルビレックスBC
今季成績:46試合/1勝2敗/16セーブ/防御率1.29

 186センチの長身で手足が長く、ややアンダー気味の左サイドハンド。しかも踏み出しはかなりインステップ。見るからに「左キラー」という投球フォームを武器に、今季、BCリーグトップの防御率1.29を記録した。全71試合中46試合に登板するタフネスさも兼ね備えている。ソフトバンクでは、左のワンポイントとして嘉弥真新也が今季ブレイクしたが、その後継者になれる可能性がある。

■伊藤翔(徳島インディゴソックス/投手/右投右打)
西武3位
千葉県出身
1999年2月10日生まれ(18歳)
横芝敬愛高〜徳島インディゴソックス
今季成績:16試合/8勝4敗/防御率2.18

 高校生だった昨年も注目された右腕が、独立リーグで経験を積み、さらにスケールアップ。3位と上位での指名を勝ち取った。体型はやや異なるが、しなやかなフォーム、テークバックからの腕の運びは金子千尋(オリックス)に通じるものがある。ストレートの最速は152キロ、そして決め球のフォークにも磨きがかかった。先発投手が不足気味の西武で、ローテーションの一角に食い込めるか。
■田中耀飛(兵庫ブルーサンダーズ/外野手/右投右打)
楽天5位
大阪府出身
1996年3月5日生まれ(21歳)
英明高〜兵庫ブルーサンダーズ(芦屋大在学中)
今季成績:32試合/打率.422/15本塁打/39打点

 ベースボール・ファースト・リーグ三冠王に輝いた右の強打者。どっしりと安定感のある下半身から生み出される飛距離は、すでにNPBでも十分通用するとの声も。インパクトのあと、左手一本でフォロースルーを取るスタイルはレアード(日本ハム)を彷彿とさせる。楽天待望の日本人長距離砲になれる資質あり。

■寺岡寛治(石川ミリオンスターズ/投手/右投右打)
楽天7位
福岡県出身
1992年12月3日生まれ(24歳)
東海大五高〜九州共立大〜九州三菱自動車〜石川ミリオンスターズ
今季成績:43試合/2勝1敗/防御率1.52

 ストレートの最速は155キロ。加えて、カーブ、スライダー、縦スラ、カットボール、フォークなど多彩な変化球を操る。今季は主にセットアッパーとして43試合に登板し、59回1/3を投げ防御率1点台。奪三振はイニング数を大きく上回る82を数えた。指名挨拶に訪れた楽天関係者にも「即戦力の期待に応えられる自信がある」とプロ向きのメンタルの強さも見せている。

■和田康士朗(富山GRNサンダーバーズ/外野手/左投左打)
ロッテ育成1位
埼玉県出身
1999年1月14日生まれ(18歳)
都幾川倶楽部硬式野球団〜富山GRNサンダーバーズ
今季成績:68試合/打率.271/1本塁打/14打点

 小・中学と野球を続けていたが、高校(埼玉県立小川高)では、50m5秒8の走力を生かし陸上部へ。しかし、野球への思いを消し去ることができず、1年で退部。硬式のクラブチームで野球を再び始める。そこから、BCリーグのトライアウトに参加。近鉄などで活躍した吉岡雄二監督に見込まれ、富山GRNサンダーバーズへの入団に至るという異色のキャリアの持ち主だ。脚力だけでなく肩も強く、その身体能力を野球技術に昇華できれば、大型外野手に育っても不思議ではない。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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