今年もまた酷暑の8月がやってきた。プロ野球は100試合を超え、疲れが一気に吹き出る頃だ。ラストスパートをかけるには、まだ早すぎて、なかなか体と心のバランスを整えるのが難しい。その一方で、暑ければ暑いほど、なぜか活躍してしまう「夏男」も存在する。歴代・現役選手のなかで、特に8月に活躍した「ミスターオーガスト」たちを振り返ろう。
歴代プレーヤーで特に8月に好成績を残したのが宇野勝(元中日ほか)と江藤智(元広島ほか)だ。
宇野は1984年8月に月間15本塁打を放ち、この年、自身初の本塁打王を獲得する契機となった。この年以外でも8月に強かったことから「ミスターオーガスト」と呼ばれた。現役時代、通算4度選出された月間MVPのうちの2回が8月(1983年、1984年)だった。
江藤も通算4度の月間MVPのうち、8月に2度(1994年、1999年)受賞。1994年は宇野を超える16本の月間本塁打(当時日本タイ記録)を放っている。また、江藤にとって相性が良かったのが「8月」と「横浜スタジアム」。1994年8月18日、1998年6月30日、1999年8月12日と計3度、8月に2度「1試合3本塁打」を放っているが、その全てが横浜スタジアムだった。
現役選手で8月に強いといえば、DeNAの三浦大輔で決まりだ。過去に4度選出されている月間MVPのうち、8月に3度(2000年、2005年、2014年)受賞。特に昨年はシーズン序盤からまったく勝てない日々が続いていたにもかかわらず、8月は3勝0敗、リーグ唯一の防御率1点台(1.20)という夏男ぶりを発揮した。チームが下降気味の今こそ、「夏の番長」に期待したくなる。8月最初の登板となった5日の中日戦は、7安打を浴びながらも7回1失点に抑え、さすがの投球を見せた。