今回のダンスフェスティバルは、昨年に引き続き2回目の開催となる。各チームから代表の8人が(オリックスからはフルメンバーが)大阪に集結。1回目は1日だけの公演で手探りの感があったが、2回目となる今回は、前回と同じ構成でもより充実した内容となった。
オープニングは、全チームのチアが入り乱れてのダンスタイム。ここでは様々なバリエーションのダンスが披露された。チアダンスやヒップホップダンス、ジャズダンスやバレエなど、次から次へと入れ替わり立ち替わりで繰り広げられるパフォーマンスは圧巻だった。
続いてはチームごとのパフォーマンス。チームの本拠地に沿って「北から南へ」の順で披露された。各チームの選曲、構成、演出、パフォーマンスは個性あふれるものだった。
トップは日本ハムの「ファイターズガール」の登場。オープニングの選曲が「We Are The Champions」だった。この曲を選べるのは日本一になったチームだけであろう。
2番手は楽天の「東北ゴールデンエンジェルス」のダンス。アップテンポのクラブミュージックで魅了した。そのなかでも扇を使ったダンスは個性的で目を惹いた。
続いて登場の「bluelegends」は西武のパフォーマンスチーム。ほかのチームに比べて大人の雰囲気を醸し出している。タオルを使ったダンスで、会場とともに盛り上がった。
ロッテのチアは「M☆Splash!!」。構成が素晴らしく、オープニングからエンディングへ向かってだんだんと盛り上がり、最後は涙が出るほどの感動を観衆に与えた。
オリックスの「BsGirls」はフルメンバーでの参戦。そのパフォーマンスはほかのチームとは一線を画するもの。単独ライブを行えるだけの実力があり、完成された舞台は別格だった。
最後はソフトバンクの「ハニーズ」の登場。かわいらしいチアのユニフォームを着ているが、そのパフォーマンスは激しいものだった。キレキレの動きのダンスを披露した。
各チームのパフォーマンスの合間には、ダンスバトルや私服ファッションショーという企画もあった。DJが流す曲に合わせてのダンスバトルは、他チームとのコラボダンスなどもあり楽しめた。私服ファッションショーは、球場デートというテーマで、女性ファンには参考になったかもしれない。
そしてエンディングは全員が舞台に上がっての6球団の応援歌メドレー。みんなでそろって、それぞれのチームの応援歌を踊る姿は、パ・リーグの一体感を感じるものだった。セ・リーグではこうはいかないだろう。
普段はイニング間の限られた時間、グラウンドのなかの限られた場所で、野球に花を添える存在のチアリーダーたち。そんな彼女たちがメインとなって、スポットライトを浴びる舞台が「パ・リーグ ダンスフェスティバル」なのである。
オリックス劇場の最高の音響と最高の照明のなかで、それに見合うだけのパフォーマンスを見せてくれた。
いつもは贔屓のチームや選手を応援しているファンの方も、このときだけは球団の垣根を越え、彼女たちを応援する。この素晴らしい舞台が、来年以降も続き、さらに盛り上がっていくことを期待する。
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。