春季キャンプも早くも終盤。各球団、ルーキーや期待の若手たちが開幕1軍をかけてしのぎを削っている。
本コラムではドラフト勢を中心に2019年の新人王を予想してみたい。まずはパ・リーグ編から!
間違いなく今年の大本命といえるのは西武のドラ1・松本航だろう。キャンプ時点での球速は140キロ台だが、多彩な変化球や投球術を持ち合わせ、即戦力度はナンバーワン。菊池雄星が抜け、外国人枠もリリーフに集まりそうなチーム事情から、順調ならば開幕ローテ当確だ。強力打線の援護も期待でき、勝ち星を伸ばしそうな予感。
同じく西武では、2年目の伊藤翔も新人王有資格者。昨季は16登板1先発で3勝0敗、防御率2.73の成績を収めた。キャンプではB班スタートだったが、1軍での先発チャンスが早いうちに巡ってくるだろう。
新人王候補として評価されやすい先発が穴という面では「西武の先発」が有力になってくる。
同じくドラ1ではソフトバンク・甲斐野央も見逃せない。キャンプから150キロ台を連発し、球速のポテンシャルは今季の新人でダントツ。ただ、甲斐野はリリーフタイプ。ソフトバンクの分厚いブルペン陣を1年目から突き破ることは至難の業。実力とは関係なく、泣く泣く新人王予想の評価を下げざるを得ない。
その点では「最多ホールド」をルーキーイヤーの目標に掲げたロッテ・東妻勇輔は対抗といえる。2012年に益田直也が72登板で41ホールドを挙げ、新人王に輝いたが、同じパターンを狙える。
日本ハムの3位・生田目翼も中穴候補に挙げたいが、右ヒジに不安を抱えるため、慎重な起用も予想される。
大穴は楽天4位の弓削隼人。馬力のある長身左腕で先発ローテに食い込んでくる可能性は高い。
ソフトバンク4位の板東湧梧も実戦派。先発陣に故障者が続出すれば、5〜6月の1軍デビューもありそうだ。
野手は空きポジションが重要になってくる。一歩リードはやはり楽天のドラ1・辰己涼介だ。外野には田中和基、島内宏明がいるが、昨季は最後の1枚が定まらなかった。守備・走塁に長けた辰己が1、2番にフィットすれば、打線としても面白い。
楽天では捕手再転向の岡島豪郎が左肩手術で前半戦絶望。ドラ2・太田光の出番も増えそうだ。ただ、打撃の評価が高くない上、嶋基宏がまだまだ健在。新人王を狙うのはやや難しいか。
対抗はオリックス2位の頓宮裕真。大学時代は強打の捕手として鳴らしたが、三塁に転向している。中島宏之が抜け、後続の中軸候補も育ちきっていない。自主トレ入りのときからパンチパーマをかけてくるなど話題性も抜群で、開幕すれば一気にスター街道に乗る可能性もある。
2年目以降の選手では、西武・山田遥楓、西武・愛斗、楽天・岩見雅紀などが新人王有資格者。
特に期待したいのは大砲の岩見。昨季は2軍で113試合に出場し、打率.284、14本塁打を記録した。2年目以降はハードルが上がるが、1軍で20本塁打以上を放てば、新人王候補に名前も挙がってくるはずだ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)