昨季は最多勝(15勝)、最優秀防御率(2.24)、最高勝率(.750)の投手タイトル3冠に輝いた大谷翔平。しかしパ・リーグ、対戦チーム別に成績を比べると、対ソフトバンク戦はかなり苦戦しているのだ。
■2015年 対戦チーム別成績
(※防は大谷の対戦防御率)
ソフトバンク 4試合 1勝2敗 防6.58
西武 6試合 5勝1敗 防1.71
オリックス 4試合 3勝0敗 防1.35
ロッテ 3試合 2勝1敗 防1.13
楽天 2試合 2勝0敗 防0.61
上記を見れば、大谷のソフトバンクに対する成績の悪さが一目瞭然。特に昨年8月4日のヤフオクドームでの一戦は、必勝を期すべく先発ローテーションをずらして中10日で万全の体制で挑んだにも関わらず、投球回6回1/3、被安打9、自責点7と炎上して敗戦。日本ハムは優勝争いから大きく後退した。
ソフトバンクの大谷対策は「中盤までは我慢して球数を投げさせ、後半疲れが出た頃に一気に攻略する」というもの。それがズバリとハマって、軍配はソフトバンクにあがった。
昨季は悔しい思いをした大谷だが、もちろんこのまま手をこまねいているわけではない。
今オフは自らの肉体改造に着手。1日6〜7食の食事に加えて、チームOBで現レンジャーズのダルビッシュ有との合同自主トレで、筋力トレーニングに励んだ結果、シーズン終了時から体重を7キロ増の100キロに成長。
メディアで見る姿は明らかにバルクアップの形跡があり、大谷は体重増の狙いを「もう1つ高いパフォーマンスを探すための底上げ」と、コメントしている。恐らく、ソフトバンクに隙を突かれたスタミナ面の強化であることが推測される。
日本ハムは昨季79勝と、2012年に優勝した時の74勝を上回る白星をあげながら、首位ソフトバンクとは12ゲームもの大差をつけられた。両者の直接対決は日本ハムの9勝(15敗)と完全な負け越し。鷹の独走を許す元凶となった。
大谷が天敵ソフトバンクを攻略すれば、自ずとチームの優勝への道も開けてくる。今シーズンさらにパワーアップした大谷から目が離せない。
文=サトウタカシ(さとう・たかし)