その処分が解け、迎えたのが4月23日のオリックス戦。6番セカンドでスタメン起用されたナバーロは、ゲームに飢えていた。
それが大事な場面での集中力を生んだのだろう。1対1の同点で迎えた8回裏、1死二、三塁という緊迫した局面で、岸田護の投じた初球のチェンジアップを、鮮やかに右中間へ弾き返す。ここまで、三振、四球、三振で臨んだ第4打席での来日初安打が、勝ち越しタイムリー二塁打となった。
その後、9回表に2点を失い追いつかれたロッテだったが、9回裏に相手のバッテリーエラーでサヨナラ勝ち。新外国人のデビュー戦に花を添えた。
試合後、お立ち台に呼ばれたナバーロは、ファンに声援に対する感謝を伝え、最後に「ナバーロ、ガンバーロ!」で締め、チームメイトであるデスパイネの決めゼリフ「デスパ、イーネ!」に勝るとも劣らない歓声を浴びていた。
その後も、4月24日のオリックス戦では3打数1安打、4月26日の西武戦では4打数1安打と、3試合連続安打を記録している。
そして、貢献しているのは、打撃だけではない。セカンドの守備でも好プレーを連発しているのだ。昨年まで、ロッテのセカンドはゴールデングラブ賞も獲得したクルーズ(現巨人)が守っていたが、ナバーロも軽快なフットワークと鮮やかなグラブさばきで、及第点以上の守備を見せている。
2014年、2015年と韓国のサムスン・ライオンズでプレーし、31本、48本とアーチを量産したナバーロ。そのパワーを買われてロッテに加入したが、守備や、まだ日本ではその片鱗は見せていないが走塁(韓国での2年間で47盗塁)でも持ち味を出せるようなら、ナバーロの存在感はさらに増していきそうだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)