原口文仁や中谷将大がもうひとつ伸びきらず、打線が湿ってきた阪神は結局、一塁手候補としてロジャースを補強。2015年にはブルワーズで86試合に出場し、打率.296(152打数45安打)、4本塁打、16打点を記録している。
大柄な体型とは裏腹にアメリカではコンパクトなバッティングを心がけていたようで、今季も3Aで打率.289(253打数73安打)、9本塁打、34打点の成績を残している。
近年の阪神は、外国人野手においてはマートン風の中距離砲を探す傾向にあるが、ロジャースも成績的には同様のタイプといえる。ただ、現状でファンが求めているのは大砲。鋭い打球に定評があり、日本ではホームランバッターを狙ってもいいかもしれない。
愛称は「パンダ」だそうが、猫寄りか熊寄りか……。
ケガ人続出のヤクルトは三塁手のリベロを補強。昨季は3Aで打率.277(415打数115安打)、19本塁打、72打点を記録した中距離砲で、今季も打率.296(206打数61安打)など、ほぼ変わらぬアベレージを見せていた。
ロジャースと同様に大砲化の期待感もあるが、ヤクルトにとって大きいのは守備力。昨季は3Aでゴールドグラブ賞を受賞しており、リベロ自身も入団発表で「守備が武器」と語っている。
西武は先発投手のファイフを緊急補強。今季はシュリッター、ガルセス、キャンデラリオの3投手を加えて開幕し、シュリッターが西武には珍しく大当たり。しかし、ガルセスとキャンデラリオはいつも通りの西武らしい今ひとつの助っ人で早くもお蔵入りになりそうな状況だ。
新たに加わったファイフは191センチの長身から投げ下ろすストレート、カットボールなどが持ち味。2012年から2014年にかけてはドジャースで18試合に登板(16先発)し、4勝6敗、防御率3.66のメジャー通算成績を収めている。
しかし、2015年には所属球団なしの浪人生活を送り、同年冬に復帰。昨季はルーキーリーグ、3A、ドミニカ・ウインターリーグでプレーし、18試合で2勝4敗、防御率4.43の成績だった。
7月6日の1軍初登板では4回途中4失点(自責点3)。またもや経歴が謎めいた助っ人だが、灼熱のメットライフドームで救世主になれるか?
日本ハムは外野手のドレイクを補強し、巻き返しを図る。キューバ出身、メキシコ国籍のドレイクは今、脂が乗り切った状態だ。今季はメキシカンリーグで71試合に出場。打率.385(260打数100安打)、14本塁打、61打点を記録しており、OPS(長打率と出塁率を足した指数)は破格の1.092。
日本デビューから8試合で打率.138(29打数4安打)、10三振と苦労しているが、もともと三振はそこまで多くないタイプなので適応を待ちたい。
ドレイクの加入直後にはエスコバーをDeNAにトレードで放出したあたりも日本ハムらしいハイブリッド運営。外国人枠はピッタリで過不足なし。ドレイクの出来が後半戦のカギになることは間違いない。
(成績は7月12日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)