「台湾のイチロー」や「ポテトヘッド」? 外国人選手のあだ名を大公開
▲一昨年にシーズン60本塁打を達成したバレンティンは、母親から「ココ」という愛称でよばれている。
プロ野球はオープン戦たけなわ。キャンプを打ち上げた選手たちは、開幕1軍を懸けて試合に臨んでいる。
なかでも今季から“新助っ人”として日本にやって来た新外国人選手にとって、オープン戦は貴重な場。日本野球のストライクゾーンの確認や、初対戦の日本人選手を覚えるには、絶好の場となるからだ。
それと同時に、プロ野球ファンにとってはオープン戦こそ、新外国人選手を品定めする場となる。今季はどんな個性的な選手がいるのか、その一挙手一投足に注目するのだ。
今シーズンの新外国人選手のなかで、異彩を放っているのが、楽天にやってきたゼラス・ウィーラー。とはいえ、実力で注目を集めているというわけではない。そのキャラクターで人気を集めている。
◎楽天の新助っ人のあだ名は「ポテトヘッド」?
178センチ100キロ。外国人選手とはいっても、ややぽっちゃり系の体型。2007年にドラフトにかかり、年々、マイナーで成績を上げてくると、2014年にニューヨーク・ヤンキースの一員として、メジャーデビューを果たした。成績は29試合に出場して11安打5打点だったが、まだ28歳と若い選手だ。
実は、ウィーラーはキャンプ中に2軍降格の危機に面していた。そんなウィーラーを救ったのが、持ち前の明るいキャラクター。日本語がわからないにも関わらず、キャンプ中の朝の声出しでは、いつも爆笑。スキンヘッドと丸っこい体型から、「ポテトヘッド」という愛称まで頂戴して、チームに溶け込んでいる。2月22日の巨人とのオープン戦では、来日初アーチとなるソロ本塁打を放ち、ベンチで待つナインとはしゃいでハイタッチ。この1発で、とりあえず2軍降格は避けられたという。
◎「ライオン丸」から「カリブの怪人」まで
ウィーラーのように、過去の助っ人たちには様々な「あだ名」がつけられた。誰がつけたかはっきりわからなくとも、印象的な「あだ名」がついた助っ人たちは、引退してだいぶ過ぎた今でも、我々、野球ファンの胸に刻み込まれている。
古くは1970年代前半から大洋で活躍し、「ライオン丸」の愛称で親しまれたジョン・シピン。闘志溢れるプレースタイルから「赤鬼」とよばれたチャーリー・マニエルは、ヤクルトや近鉄で活躍した。他にも、「サモアの怪人」とよばれたトニー・ソレイタ(日本ハム)、ヒゲを蓄えた風貌からゲームキャラクター「マリオ」とよばれたカルロス・ポンセ(大洋)、「カリブの怪人」のオレステス・デストラーデ(西武)など、その愛称を聞けば思い出す助っ人たちも多いはずだ。
彼らのように、活躍した助っ人には、それなりに相応しい「あだ名」が自然とつけられるものだ。
◎残念なあだ名は……「台湾のイチロー」と「違和感」
一方で、残念な結果しか残せず、そのあだ名が笑いのネタにしかならない助っ人たちもいた。
例えば1997年に巨人へ入団したルイス・サントス。1994年から台湾プロ野球界で3年連続で打率.350以上をマークし、首位打者に輝いていた。この活躍から、当時、パ・リーグを席巻していたオリックス時代のイチロー並みの活躍を想像して、ルイスが来日した際は「台湾のイチロー」とよばれた。
ところが、その期待とは裏腹に、ルイスのお粗末ぶりは酷かった。キャンプでは恐ろしく下手な三塁守備を見せ、打撃もサッパリ。イチローとはほど遠い活躍ぶりで、シーズン途中に退団してしまった。
そのルイスの守備をこき下ろしたという噂があるのが、ロッテから巨人に移籍してきたエリック・ヒルマン。ルイスのあまりの下手糞ぶりに「お前の守備じゃ安心して投げられない」と文句を言うと、ルイスは「じゃあお前が三振を取ればいい」と言い放ったという伝説が残っている。
しかし、このヒルマンもキャンプ中に左肩の違和感を訴え、「肩に小錦が乗っているようだ」という迷言を吐き、シーズン途中で退団。ファンの間からは「違和感」という不名誉なあだ名がつけられた。「台湾のイチロー」と「違和感」は、1990年代後半の巨人暗黒時代を象徴するキーワードといえるだろう。
いずれにせよ、今シーズンはこうした不名誉な愛称をつけられる外国人選手が出現しないことを祈りたい。
記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします