【2016夏の高校野球】《岡山観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月10日〜25日(倉敷マスカットスタジアムほか)
絶好調・おかやま山陽が県内地図を刷新
好投手の創志学園、関西の逆転なるか?
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●松坂二世の確かな一歩
センバツで149キロを連発するなど、大舞台で前評判通りの実力をみせた松坂大輔二世こと?田萌生(創志学園)。昨年は1月に150キロをマーク、夏の決勝戦はまさかの逆転負け、秋はフォームを試行錯誤しつつも、全ての公式戦で「投げ抜くこと」にこだわった。これまでの軌跡をなぞっていくと、確かな一歩を積み重ねている。今春の県大会で未登板も全国屈指の右腕であることは揺るぎない。
その高田に球威で迫るのが小郷賢人(関西)だ。4月の練習試合で148キロをマークすると、岡山工戦では7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成。安定感に課題を残すが、打者をのけ反らせる140キロ中盤の豪速球には脅威さえ感じる。江浦滋泰監督が「計算できる投手になった」と信頼を寄せる三宅竜星らも台頭しており、相乗効果も期待できる。
将来性では191センチの長身右腕・濱口祐真(玉野光南)も面白い。春の覇者・おかやま山陽に延長10回サヨナラ負けを喫したが、藤浪晋太郎(阪神)を彷彿させる投げっぷりで観客を魅了した。
今年の岡山県は好左腕が多いのも特徴だ。秋を制した宮崎洸(金光学園)は直曲球にキレがあり、春を制した坂田宗也(おかやま山陽)はクセ球をテンポよく内外角に投げ分ける。公立勢では、ピリッとした投球が持ち味の山下晴樹(岡山芳泉)、技で勝負できる山下幹太(古城池)、2年生の青山蓮(興陽)らが名を連ねる。
右腕では、変則サイド・内山諒太と馬力のある大月廉の倉敷工コンビ、ポテンシャルの高い2年生・小松章浩(おかやま山陽)、夏の甲子園を経験した速球派の大北悠介(岡山学芸館)、制球力抜群の高畠優稀弥(倉敷商)、鋭角スライダーが武器の石原力(興譲館)らの投球も要注目だ。
▲?田萌生(創志学園)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●タレント揃いの関西
今年の関西もタレントが揃う。筆頭は主将の寺尾陸だ。走攻守に高い身体能力を発揮するだけでなく、気迫のプレーでナインを鼓舞する姿も頼もしい。俊敏な動きが際立つ二塁手の本千尾聖人、2年生ながら4番に座る下地竜成、興譲館戦でド派手な一発を放った1番・林原健大、さらに投手兼内野手の2年生・物部大輝も一発があり、他校も警戒を強めている。
高いポテンシャルを誇る岡山学芸館の強打コンビからも目が離せない。捕手にコンバートした平井佑季は脚力のある4番打者として他校からマークされており、昨夏の甲子園で3番に座った後泰希も強打に磨きが掛かってきた。
遊撃手では、2試合連続で広角に猛打賞をマークした有本大世(おかやま山陽)、センバツの高松商戦で三塁打を放った北川大貴(創志学園)、大型遊撃手として秘かに注目されている三宅勇輔(興譲館)らが有望だ。ともに旧チーム出場経験があり、落ち着いたプレーでチームを牽引する。
その他、一昨年秋から主軸に座る怪力外野手の立花海都(岡山理大付)、パワフルな打撃で走者を一掃する小谷敦己(倉敷商)、投打の両面で活躍する許柏彦(岡山県共生)、今春に打棒がさく裂した捕手の永島蓮(玉島商)など多彩な逸材がひしめく。
▲寺尾陸(関西)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●カギを握る2番手以降の投手陣
注目の?田萌生を擁するセンバツ出場校の創志学園、春の県大会で18年ぶり3度目の優勝を飾ったおかやま山陽、秋春ともに準優勝の倉敷工、秋に優勝した金光学園、現チームで中国大会を経験した4校に関西、倉敷商、玉野光南を加えた7校が総合力で一歩リードする。各校とも夏の連戦を勝ち抜く上で、いかに2番手以降の投手陣を整備してくるかということも、カギになりそうだ。さらに昨年の甲子園に出場した岡山理大付や岡山学芸館も虎視眈々と頂点を狙っている。
地区勢力ピラミッド
記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします