今季のソフトバンクは、チーム打率.261(リーグ3位)、本塁打114本(同3位)。どちらもリーグ1位だった昨季(打率.267、141本塁打)よりも大きく数字を落としてしまった。
助っ人選手に目を向けると、昨季、打率.282、31本塁打を記録した李大浩の穴埋めと期待されたカニザレス(=写真)は、わずか16試合の出場。打率.179、打点3とまったく戦力にならなかった。
今季開幕前に「李大浩退団、それがどうした! ホークスにはカニザレスがいる!!」というコラムを週刊野球太郎で書いておいてなんだが、カニザレスは結局3年間在籍して、ファームで通算40本塁打。昨季のウエスタン・リーグで本塁打と打点の二冠王に輝くも「2軍の帝王」を抜け出せず、1軍では変化球にまったく対応できなかった。
投手陣も守護神サファテ(=写真)は43セーブで2年連続のタイトルを獲得したものの、同点の場面ではことごとく打たれ0勝7敗。26ホールドと期待以上の活躍を見せてくれたスアレスも後半に息切れし、2勝6敗に終わった。
バンデンハークは7勝3敗と一定の結果を残したものの、中盤の長期離脱がチームにとっては痛かった。昨季、プロ野球記録の17試合連続ホールドを記録したバリオスは、0勝2敗で防御率が7点台と低調な成績……。
外国人投手の成績だけ見ると昨季が24勝11敗で今季は9勝18敗。13の貯金が9つの借金に変わってしまった。
そんなソフトバンクの外国人選手達。サファテとバンデンハーク、スアレスは来季もプレーすることが決まったが、カニザレスとバリオスは退団が決定した。
現時点でソフトバンクの外国人野手は0人。外国人野手がいないのは12球団でもソフトバンクだけだ。今季、日本一になった日本ハムはレアードが、25年ぶりにセ・リーグを制した広島はエルドレッドがチームに勢いをつけた。
報道によると、ソフトバンクは打てる外国人選手を調査中というが、今季痛感した「李大浩の穴」を埋めるのは新外国人選手か。それとも、U-23侍ジャパンで活躍した真砂勇介ら若鷹がポジションを掴むのか。
勝利の方程式がかなり崩れかけたソフトバンク。外国人選手の補強に限らず、森福允彦のFA流出が決定的な中継ぎ陣の再編成も含め、ソフトバンクのストーブリーグから目が離せない。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。息子の野球チームの監督から先日「ファイターズ優勝パレードのボランティア、やってくれる方探しているんですが」と言われ「誰がやるか」と即答してチーム内に気まずい空気を作ってしまった……。