野手では、なんといっても阿部慎之助(巨人)の400本塁打だろう。現在388本塁打で、あと12本。開幕時は39歳ということで年齢的な衰えが懸念されるが、それでも昨季は15本塁打を放っている。シーズンを通してある程度試合に出さえすれば、達成はそう難しくないだろう。ちなみに、400本塁打は歴代19位で、巨人の生え抜きの選手では王貞治、長嶋茂雄に次ぐ3人目となる。
本塁打つながりで触れれば、福留孝介(阪神)も日米通算300本塁打まであと2本(NPB:256本塁打、MLB:42本塁打)。こちらは3月30日から4月1日にかけての巨人との開幕カードで達成する可能性がある。
出場試合数歴代15位の2320試合(現役最多)を誇る新井貴浩(広島)は、今季130試合に出場すれば、2450試合となり歴代10位に浮上する。昨季が100試合出場なだけに、ハードルは高めだが、94試合に出場でも通算2414試合となり歴代11位。41歳という年齢的なこともあって、昨季同様に適度に休養を入れながらの起用が多くなりそうだが、1試合でも多く元気な姿を見せてほしい。
また、連続試合出場数では、鳥谷敬(阪神)が、昨季までで歴代2位の1895試合を継続中。今季あと5試合で1900試合連続出場、さらに105試合まで続けば2000試合連続出場の大台に到達する。なお、歴代1位は衣笠祥雄(元広島)の2215試合連続出場だ。また、鳥谷は通算出場数も1974試合まで積み上げており、あと26試合で2000試合出場となる。
連続試合出場記録は、ただ体が頑丈なだけでなく、ある程度、結果を残し続けないと継続できない。数字以上に偉大な記録と言っていい。
投手の記録に目を向けると、1000試合登板の射程圏内に入ってきた岩瀬仁紀(中日)がもっとも注目を集める。現時点で954試合に登板し、大台まであと46試合。昨季のうちに米田哲也(元阪急ほか)の949試合を抜き、通算登板数歴代トップに立った岩瀬。また、昨季は3年ぶりに50試合登板を果たし、鉄腕健在を示した。ここから先は、まさに自分との戦いだ。
決してポジティブな記録ではないが、石川雅規(ヤクルト)の被本塁打記録もピックアップしたい。昨季までで289被本塁打(現役最多)を数え、300被本塁打の大台が迫っている。昨年は18被本塁打だったから、そのペースだと夏場には届いてしまう。ちなみに、300被本塁打なら歴代24位。それだけ修羅場をくぐり抜けてきた象徴的記録と言えなくもないが……。チーム最年長の石川の奮起に期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)