2015年シーズン、絶対に球場で見ないと損するアベレージヒッターたち
3月18日に発売された『野球太郎No.014』では、巻頭企画として「絶対に“生でみるべき選手”名鑑2015――NMBP48【プロ10部門別】」を掲載している。『野球太郎』が誇るライター陣と編集部で激論を交わし、各部門別に“生でみるべき選手”を選定した企画だ。
選ばれた選手が誰なのか? は本誌をご確認いただくとして、このコーナーではその選定過程の様子を余すところなく実況中継していきたい。
今週からはいよいよ野手編のスタートです。
《“生でみるべき選手”は誰だ!?〜アベレージ部門〜》
高橋 ここはもう楽天の銀次ですよ! 銀次は三振をしませんから。
京都 規定打席に達した選手の中で、昨季12球団で一番空振り三振が少なかったのは銀次でした。
高橋 2ストライク後の打率が.2割8分超え。普通は2割を切ってもおかしくないです。常にフルスイングでこの数字はすごい。ボール球も結構振るんですけども、それをヒットにする確率も高いんです。今年は首位打者を取ってほしい存在です。
蔵 コンスタントに打つ能力でいえば、ソフトバンクの内川聖一が抜けていると思います。
久保 近年はマートン(阪神)とかルナ(中日)とか、右打者でアベレージの高い選手が多いですよね。その中でも内川は別格だと思います。
京都 ルナも確かにスゴイですよ。特に去年はがんばりました。
久保 ただ、役割が他の打者と被っていますよね。ルナに非はないけど、中日はコツコツ打者ばっかり集まり過ぎ!
──中日でいえば大島洋平はいかがでしょう? いろんな意味で意地を見せたいシーズンだと思いますが。
蔵 大島にはDeNAの試合で打たれまくっています。ベイファンとしてはいい加減にしてほしい(笑)。
久保 なんであんなに落合さんに虐げられるんでしょう? 確かに、大島の何がスゴいんだろう? と考えたとき、うまい言葉が見つからないんですよね。でも不当に低く評価されている気もします。
京都 広角に打てるのは魅力なんですけど、アベレージの話から少し離れますと、守備ではよくない場面もありました。送球でもミスがあったし、盗塁失敗も多いです。去年、盗塁を40回仕掛けて成功28回。つまり12回失敗しています。盗塁死の回数はリーグ最多でした。スタートが上手くないんですよね。赤星憲広(元阪神)に習ったりしてるみたいなんですが……。
久保 どの部門で紹介すればいいのか悩ましい選手が二人います。まず、ヤクルトの雄平。小さな大打者・若松勉のような存在になれるか? という意味ではアベレージ部門でノミネートすべきかもしれません。あともう一人がオリックスの糸井嘉男。去年、首位打者にはなりましたけども……技術でメシを食ってる感じがしない(笑)。天性で打っている選手だと思います。
京都 糸井は打球の速さで外野の間を抜くイメージがありますね。糸井の名前が出るのなら、同じタイプであるソフトバンクの柳田悠岐も挙げないと。柳田は初球打率が5割以上、というデータがあります。
蔵 あれだけ振って打率が残せるのはすごいですよね。
高橋 柳田の名前が出るのであれば、同じソフトバンクから中村晃も挙げたい。
京都 長谷川勇也もいます。僕、長谷川が一番好きなんです。去年、良くない良くないといいつつ、3割打ってますから。
── 一気にパ・リーグの、というかソフトバンク勢の名前が挙がりましたが、セ・リーグ勢ではいかがでしょう?
京都 セ・リーグでなら広島の菊池涼介か……あとは阪神の鳥谷敬ですか?
久保 鳥谷は「バッティングアイ」も含めて評価したい選手です。そういえば、デイリースポーツだけが「男気残留」と書いてました(笑)。あと、実績でいえば、やっぱりマートンの名前も挙げたいですよね。
京都 かなり名前が挙がりましたね。この中でいえば、内川、銀次は間違いないと思いますが。
──ソフトバンク勢の名前も多いので誰かはピックアップしたいかと。誰を選ぶ……となると中村を推したい気もします。柳田の人気ぶりと比べると、あの扱いの低さはちょっとかわいそう。
久保 たまに9番とか打たされてますからね。中村、入れましょう!
──パ・リーグ勢が3人入ったので、あと1人はセ・リーグから選びたいですね。
久保 実績からいえばマートンですけども、期待値を込めて雄平ですかね。
京都 今年、投手から内野手に転向した楽天の片山博視のためにもね。「雄平さんみたいになりたい」と言っているらしいですから。
〈選定会議参加者〉
◯高橋安幸
1965年生まれ、新潟県出身。昭和時代の名選手インタビューを続け、『野球太郎』やweb Sportivaなどで現在も連載を持つ。ツイッターで取材後記などを発信中。アカウントは@yasuyuki_taka。
◯久保弘毅
1971年生まれ、奈良県出身。元アナウンサーという異色の経歴を持つスポーツライター。得意技は実況風ライティング。神奈川のアマチュア野球と全国の社会人野球に強い。ハンドボールライターの第一人者でもある。
◯京都純典
1977年生まれ。データ関係の仕事を得意とする野球ライター。『プロ野球本当の実力がわかる本2015〜セイバーメトリクスで見るプロ野球〜』 (日刊スポーツ出版社)の監修を務めた。中日ファン。
◯蔵建て男
人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。ネットスカウトの草分け的な存在で、プロスカウトとの交流も。Twitterアカウントは@kuratateo。
構成=オグマナオト
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