プロ野球がいよいよ開幕する。今年は例年とは異なる日程になるため、展開がまったく読めない。全日程が発表されていないが、オールスターゲーム、セ・パ交流戦がともに中止となっていることから、シーズン中のブレイクはなさそうだ。
試合数こそ減少しているものの基本的には6連戦が続き、雨天中止があればMLBさながらの大型連戦になることもありえるだろう。12球団の監督を見渡すと、現役時代にMLB経験がある日本人監督は、ヤクルトの高津臣吾監督とロッテの井口資仁監督の2人。両監督からは現役時代の経験を生かす采配が見られるかもしれない。
そんな井口監督は1974年度(1974年4月2日〜1975年4月1日)生まれ。同学年にメジャーリーガーが多数おり、華やかな世代でもある。NPBプレーヤーも含めどのような同級生がいるのだろうか。
井口監督と同じ野手では松井秀喜(元ヤンキースほか)が世代のトップランナーだろう。
星稜高時代には1992年夏の甲子園での「5打席連続敬遠」で社会的現象を巻き起こした。巨人に入団後は当時の長嶋茂雄監督の指導を受けながら、日本を代表する打者に成長。MLBへと活躍の舞台を移してからもヤンキース、エンゼルス、アスレチックス、レイズと渡り歩き、各地で愛された。日米通算507本塁打を放ったレジェンドである。井口監督と松井は同じチームでプレーしたことはないが、同学年なのである。
ロッテの今岡真訪2軍監督も同学年。東洋大時代は日本代表として井口監督とともにアトランタオリンピックに出場している。現役晩年はロッテで井口監督とチームメートだった。
ほかの野手にはダイエー、ソフトバンクで井口監督とチームメートだった柴原洋や日本ハムで一時期、4番を務めた西浦克拓がいる。現在、オリックスでスカウトを務める牧田勝吾や、プロ初打席と最終打席で本塁打を放ったヤクルトの小野公誠も同学年だ。
日本にやってきた外国人選手でも同学年は多い。現在、DeNAの監督であるラミレス、日本ハムなどで活躍したセギノール、「パナマウンガー」が代名詞のズレータ、パ・リーグ4球団でプレーしたフェルナンデスも同じ1974年度生まれ。日本に馴染んだ助っ人野手が多かった。
投手には黒田博樹、小林雅英と2人のメジャーリーガーが誕生した。黒田は広島、ドジャース、ヤンキースの3球団で通算203勝。ドジャース時代の2010年から7年連続で2ケタ勝利に到達しながらも、2016年に現役を引退。広島で背負っていた「15」は永久欠番になっている。
「幕張の防波堤」と称された小林はロッテ、インディアンス、巨人、オリックスでプレー。黒田や井口監督と比べると現役引退が早かったこともあり、話題になることは多くなかったが、同学年のメジャーリーガーである。
2017年に急逝した森慎二(西武ほか)も同学年。森はMLBのデビルレイズ(現レイズ)と契約したものの、オープン戦で右肩を脱臼し、そのままメジャーでもマイナーでも登板することなく契約を解除されている。あと一歩のところで夢舞台を逃した幻のメジャーリーガーだ。
MLB経験はないものの、日本球界でレジェンドとなった岩瀬仁紀(中日)も同学年だ。高校、大学、社会人、そしてプロと愛知で野球人生を全う。1974年度生まれ最後の現役選手でもあった。
その他には広島で活躍した澤崎俊和、中日などで活躍した左腕でMVP受賞経験もある野口茂樹などが同学年となる。
外国人投手には腕をグルグル回すパフォーマンスで有名なシコースキーがいる。NPBではロッテ、巨人、ヤクルト、西武と4球団でプレーしている。この学年の外国人選手は、投手・野手ともにNPBの複数球団で活躍する選手が多かった。
文=勝田聡(かつた・さとし)